佳境を迎えているパリオリンピックで、いよいよ9日、注目の17歳が登場。 兵庫県宝塚市出身の玉井陸斗選手、日本飛び込み界初のメダルに挑む。

【動画】日本飛び込み初の五輪メダルへ 17歳・玉井陸斗選手 下半身の筋力トレ強化で東京五輪のリベンジへ

玉井陸斗選手:緊張もしているんですけど、パリオリンピックっていう舞台で、自分がどんな演技ができるのか、楽しみが大きい。

玉井陸斗選手
玉井陸斗選手
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9日から始まる、男子高飛び込みに出場する、宝塚市出身の玉井陸斗選手、17歳。 まだあどけなさの残る、高校3年生だ。

そんな17歳は、オリンピックでのメダル獲得という、日本飛び込み界の悲願に、最も近い存在だ。

■「笑顔で試合に挑めることが、一番メダルへの近道」と普段から笑顔を絶やさない若きエース

玉井陸斗選手 12歳当時
玉井陸斗選手 12歳当時

キャリアの1歩目を踏み出したのは6歳の時。 プールが大好きだった少年は、その6年後の中学1年生で挑んだ初の全国大会で、鮮烈なデビューを飾った。大人の選手たちを寄せつけず、優勝。 当時から、夢はただひとつ。

玉井陸斗選手(12歳)2019年:オリンピックに出て、メダルを取ることです。

玉井陸斗選手
玉井陸斗選手

普段から、笑顔を絶やすことの無い、玉井選手。 チームの中ではムードメーカーのような存在だ。

そんな若きエースが、初めて夢舞台に立ったのは3年前の東京オリンピック。

当時の実況:日本選手の高飛び込み決勝進出は、21年ぶり。最後のダイブ、玉井。良いですよ。素晴らしいです!

ファイナリスト12人の中で、最年少にして7位入賞。 それでも、満足はできなかった。

玉井陸斗選手(14歳)2021年:(表彰台は)まだまだ届かないところですけど、3年後にパリオリンピックで、勝負できるぐらいの演技をしたい。

玉井陸斗選手
玉井陸斗選手

玉井陸斗選手(17歳)2024年:東京オリンピックの時は、不安や緊張もあった。自分の演技ができなかったのが大きいです。

■日本飛込界がまだ見ぬ景色目指して苦手克服 「初のメダル獲得の覚悟と姿勢できた」とコーチ

「男子・高飛込」は、10メートルの台から6回演技を行い、合計ポイントを争う採点競技。 特に水しぶきの少ない入水、「ノースプラッシュ」が、高評価へとつながる。

多い時には、1日6時間、自らと向き合う17歳。 メダル獲得へ、克服しなければならない種目があった。それは3年前。東京オリンピックで失敗した悔いの残る1本。

当時の実況:高い。入水は…あーっと、ここで水しぶきが出てしまった。

「307C」と呼ばれる、後ろに3回半回りながら飛び込む大技だ。

玉井陸斗選手:“前回り”では、宙返りが終わった後、水が見えてから入水をする。“後回り”では、何も見えない状態で手を出して入水するので、すごい難しい。“後回り”の技を安定させることが課題。“後回り”の技がメダルのキーになると思う。

脚光を浴びた中学1年生の時から、後ろ回りの演技で、美しい入水を決めることは、ずっと抱えてきた課題だった。

パリで目指すのは、日本飛び込み界がまだ見ぬ景色。 期待も、重圧も、一心に背負ってきた、玉井選手。あの夏のリベンジを果たすため、3年間、下半身の筋力トレーニングに力を入れてきた。

玉井陸斗選手:太ももの前側や、ハムストリングを鍛えることで、“ジャンプの高さ”が出るので、難しい技も楽に飛べる。高さが出ることで、空中での滞空時間が長くなり、入水までの余裕につながる。

磨いてきたジャンプ力を生かし、入水の姿勢を素早く完成させる。 後ろ回りの技でもノースプラッシュを決められるまでになった。

飛込日本代表 馬淵崇英コーチ
飛込日本代表 馬淵崇英コーチ

長年にわたり手塩にかけてきた、日本代表の馬淵コーチも、大きな期待を寄せている。

飛込日本代表 馬淵崇英コーチ:ジャンプの高さは、玉井選手にとっては“売り物”。他選手よりも高くジャンプすることができ、非常に印象やインパクトが強い。日本飛込界、初のメダル獲得に対する、覚悟と姿勢が本当になってきた。メダルは取る時期、取るはずと信じています。

恩師の思いに応え、パリの前哨戦では、東京の金メダリストをも破った若きエース。 積み重ねてきた自信を胸に、どこまでも等身大の姿で、9日から始まる、2度目の夢舞台に挑む。

玉井陸斗選手:ワクワクするような、難しい技を試合で決められるのか、自分への期待というか。

玉井陸斗選手:やっぱり楽しむことが、普段の演技ができる秘訣。いつも通り笑顔で試合に挑めることが、一番メダルへの近道なのかなって思います。パリでの目標はもちろん『金メダル』。金メダルを取ることができれば、もうスーパースターになれるに違いないと思います。

 (関西テレビ「newsランナー」2024年8月8日)

関西テレビ
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