7月25日からの大雨は、最上地域のアユ漁にも大きな被害をもたらした。
最上小国川にある6つのヤナ場が全て崩壊し、修復費用だけで1000万円に上る見込みだ。
6つのヤナ場“全て”で被害
最上小国川のヤナ場の一つ、舟形町の“長者原ヤナ”。
長者原ヤナ場・ヤナ主の吉田他人男さんは、「とんでもない。ここ全部が流されてなくなった、すごかった」と話す。

産卵のため、川を下るアユの習性を活かした“落ちアユ漁”。あと1カ月もすれば、ここにまた丸々と太ったアユが落ち、1年の中で最も輝く季節を迎えるはずだったが、ヤナは7月25日の大雨で流され大量の土砂と流木で覆い尽くされた。

吉田他人男さんは、「ヤナは土砂に埋もれて全然見えなかった。砂利が一面…。今までこんなことになったことがない」と当時の状況を振り返った。

吉田さんのヤナ場だけではない。最上小国川にある、6つのヤナ場全てで同様の被害があった。

小国川漁協・伊藤欽一組合長は「これは“一の関ヤナ”。木材は全部なくなり、鉄骨も完全に曲がったので、撤去して組み直さないと復旧は無理。“瀬見ヤナ”は、小屋まで水が上がって中の冷凍庫が流し出された。ひどいです」と被害を語る。
修理費用1000万円…今後に不安も
修復費用は、1カ所につき数百万円。6カ所合計で1000万円以上に上ると見込まれているが、損害はそれに止まらない。釣り客が他県の川へと離れ、宿泊施設などが大きな打撃を受けているほか、2025年のアユの生育が脅かされている。

伊藤欽一組合長は、「来年飼育するアユを獲るために卵がほしい。ヤナが復旧しないと、親魚という親になるアユが獲れない。獲れなければ放流するアユがなくなり、来年のアユは必然的に少なくなる」と今後についての不安を話す。
暑さの中、復旧作業を進める
大雨が降るたびに、流域に牙をむく最上小国川。ヤナ場にもその都度被害があったが、6カ所全てが崩壊したのは今回が初めて。

長者原ヤナ ヤナ主・吉田他人男さん:
このヤナは“親魚獲り”をしている。協力しているので補助金が出れば助かる。
行政の支援を待ちながら、ヤナ場では今日も酷暑の中、修復作業が続いている。
(さくらんぼテレビ)