愛媛県内のゴルフ場で環境への取り組みの一環として、アロマウォーターが製造されているという。クスノキから作られたこの商品は虫よけ作用もあるという。なぜゴルフ場でアロマウォーターを作っているのか、その背景に迫ってみた。

クスノキの防虫成分に着目

瀬戸内海を見下ろす絶景と変化に富んだコースが自慢の「松山シーサイドカントリークラブ」。

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ゴルフ初心者から上級者まで誰もが楽しめるゴルフコース。このゴルフ場には意外な一面がある。

それは防虫効果のあるアロマウォーターを、ゴルフ場で製造販売しているということだ。

この意外な組み合わせの背景について、松山シーサイドカントリークラブの支配人である藤井伸忠さんは、「従来捨てていたものを再利用できる方法がないか、いろいろ調べていた中で、クスノキが防虫成分があるのを知り、それで未経験なんですけど制作できるかどうかトライしてみようとやりだした」と語った。

廃棄していたクスノキを再利用

アロマウォーターの製造過程を取材するため、ゴルフ歴13年の久保記者が現地を訪れた。

ホールとホールの間仕切りとして植えられているさまざまな樹木が育ちすぎると、太陽の光や風がゴルフコースの命ともいえる芝生に届かず、コンディションを良好に保つことが難しくなる。

これまで間伐し廃棄していたクスノキは、年間約50トン。現在その一部をアロマウォーターを作るために利用している。

製造過程は以下の通り。

1.クスノキをまき割り機で縦割りにする。
2.さらにチップ状に細かくする。
3.大きな鍋で蒸し、その水蒸気を蒸留水として集める。

こうしてできるのがクスノキのアロマウォーターだ。

藤井支配人は「蒸留水と、樟脳(しょうのう)の結晶に分離した状態になってますので、ここからろ過して結晶と水に分離します」と説明する。

久保記者が確認した所、かなり濃い香りがする。藤井支配人によると、これが樟脳の成分、主にカンファという成分のにおいで防虫効果があるという。

自然由来の爽やかな香り

正真正銘手作りで天然成分100%のアロマウォーター。完成品を久保記者が実際に服に吹きかけて使ってみると、「爽やかな香りですね。いいにおいがします。気分転換になりそう。自然由来の香りですごく爽やかな香りです」と絶賛した。

藤井支配人は「ゴルフ場でプレー中に虫よけのスプレーとして使っていただいたり、ルームフレグランスということでお部屋の中とか車の中とか、ちょっと気分転換に香りを楽しみたいなという時は、ゼラニウムとハッカをブレンドしたものがありますので、それをお好みに応じて使っていただいたらと思います」と製品の活用法を提案した。

藤井さんたちは、材料となるクスノキそのものもインテリア小物にデザインするなど、オリジナルブランド「しまなみ息吹クラフツ」でのグッズ展開も始めた。アイデア次第で新たな収入源にもなり得る。今後、樟脳で作る天然成分100%の防虫剤の商品化も目指すという。

(テレビ愛媛)

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