男子は29年ぶり。女子は23年ぶり。2024年の県高校総体柔道団体戦で、宇和島東高校が優勝を果たした。男女どちらも、アベック優勝は初だ。これまでの優勝に至る壁を破ったのは、地道に積み重ねた稽古と先輩から託された優勝への思い。8月のインターハイでは挑戦者として猛者たちに挑み、新たな歴史の1ページを記す。

3連覇中のFC今治明徳を破り23年ぶりの優勝

宇和島東高校柔道部。2024年で創部78年の歴史を誇る。男女合わせて20人の部員が1つになり、この夏、歴史に新たな1ページを加えた。

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6月に行われた県総体、女子チームは4校による団体戦の決勝リーグに勝ち上がり、3連覇中のFC今治明徳との試合で大将・伊藤選手が一本勝ちを決め下すなど、勢いに乗り全勝で頂点に立った。23年ぶりの優勝だ。

上甲華主将は「仲間を信じて戦い抜くことができたのでよかったです」とうれしそうに話す。

27連覇中の新田を破り29年ぶりの優勝

この一方、男子団体の決勝リーグ。宇和島東にとって最大の山場は大会27連覇中の絶対王者・新田との試合だった。

先鋒の伊藤選手は小外刈りで一本。しかし次鋒戦で相手の優勢勝ちで一本奪われた。このあと互いに譲らず大将戦へ。松浦選手が送り襟絞めで1本奪った。

部員一丸となって4校での決勝リーグを全勝で制し、実に29年ぶりの優勝を勝ち取った。保護者はもちろん、応援にかけつけた歴代の先輩たちにも歓喜の輪が広がった。

松浦悠青選手は「勝負を決め切ることを意識して一本取りに行きました」とし合いを振り返り、浜村武蔵主将は「個人は強いんですけど、なかなか優勝出来ずにいた。試合前からみんな気持ちを一つにして臨むことができた。うれしいです」と優勝できたことに喜びを表した。

29年前の優勝メンバーとしての感慨

今の3年生が1年生の頃から目標に掲げていたのが「アベック優勝」をついに成し遂げ、指導する山下孝文監督にとっても、29年ぶりは優勝を感慨深いものだった。

山下監督は実は29年前の優勝メンバーの1人。当時は2年生だった。県立高校で部員の数を確保する難しさを感じながらも「強い母校復活」の思いを胸に指導してきた。

山下孝文監督:
全チームが毎日練習を積み重ねていく中で、どう差をつけるのかを考えないといけない。新田さんも27年間勝ち続けてきてすごく大変なことだと思う。それをいかに抜いていくか。日々の中で少しのことを大事にしながらできたのがいい結果につながった。

地道にコツコツと積み上げた日々の稽古の成果を発揮。連綿と続く先輩たちの優勝への思いを「絆」にして、ついにつかんだ歴史的な勝利でした。

「アベック」で愛媛代表として出場

次は北部九州を舞台にするインターハイ。柔道は大分県で8月10日に始まり、宇和島東高柔道部は「アベック」で愛媛代表として出場する。

女子選手4人:
私たちの目標は全国で優勝することです。全国では各県の強豪が集まるので、各県の代表に負けないように自分らしく試合をしたいと思います。がんばるぞ!おー!

男子選手6人:
3回戦まで勝ち進み、優勝候補の修徳高校に挑みます。行くぞ!おー!

歴代の先輩たちの思いも力にしてこの夏、宇和島東高校柔道部が新たな歴史に挑戦する。

(テレビ愛媛)

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