7月25日からの大雨で浸水被害があった地域では、30日も住民が片付けに追われている。こうした中、山形・戸沢村では30日からボランティアによる復旧作業が始まった。
戸沢村でボランティアによる復旧作業が開始
戸沢村では最上川の本流がはん濫し、住宅約300件が浸水被害を受けた。

戸沢村社会福祉協議会は、30日から災害ボランティアの派遣を始めた。初日は県の内外から15人が参加し、被害が大きかった蔵岡地区にある蔵岡公民館で片付けを行った。

蔵岡地区・早坂修一副会長は「1階部分は壊滅状態です。最初は地区民でやろうと話していたが、とても地区の人だけでは手に負えない。役場にお願いしてボランティアに入ってもらった」と話す。

蔵岡地区は、約70ある住宅全てが浸水被害を受けたため、片付けの作業中に休憩できる場所も近くにない。そのため、住民やボランティアが公民館を復旧の拠点として使えるようにと、優先的に片付けることになった。
住民とボランティア一丸となり復旧作業
ボランティアはぬれて使えなくなったイスや棚などをトラックに積み込んだり、たまった泥をかき出したりしていた。

大場美嘉さんは「1日でも早く普通の生活ができるように協力できれば」と思い、山形市からボランティアに参加。
新庄市から参加した沼澤光陽さんは「災害が起きた時に以前からボランティアをしていたので、今回も初日に来たいと思った。微力だが地区の皆さんの力になりたい」と話した。
大切な店が被害に…手放すことに
一方、蔵岡地区の住民も自宅の片付けに追われていた。

芦原良子さん(87)の自宅は、2階まで水につかった。30日は親族も手伝いに来て、ぬれた家財道具を外に出したり思い出の写真を洗ったりしていた。
ぬれてしまった思い出の写真をみて芦原さんの親族は「だめだ~、パパの顔も残念」と悲しんでいた。

芦原さんは約50年、自宅の1階でタバコや食料品などを販売する店を営んできたが、使っていたレジや冷蔵庫など全てが水につかった。祖父が明治時代に開業し3代続いた大切な店だが、今回の大雨をうけ手放すことを検討している。

芦原良子さん「もう商売できない。手もつけられない。全部、何もかもなくなった、着るものも。私は店が好きだから何もなければ死ぬまで店をやりたかった」と悲しげに語った。
8月1日も約60人が蔵岡地区にボランティアに入るという。
戸沢村社会福祉協議会はボランティアを募集していて、希望者は協議会のホームページから申し込むことができる。
(さくらんぼテレビ)