兵庫県の斎藤知事は30日の記者会見で、改めて今後も知事として「県政を進めたい」と述べ、辞任を否定した。

兵庫県 斎藤元彦知事:現在の状況になって、県民の皆さんにご心配おかけしていることは、お詫び申し上げたい。いろいろな指摘やご批判は真摯に受け止めて対応していきたい。 応援していただいている方への感謝もしっかり抱いて県政を進めていきたいと考えています。

兵庫県 斎藤元彦知事:百条委員会や第三者委員会の審議や調査がこれから本格化しますから、そこにしっかり対応することを通じてこの問題に対応していきたい。 県職員の皆様日々の仕事にしっかりと取り組んでもらっている。そこに対しては感謝申し上げたいと思います。
■「パワハラ疑惑」告発も斎藤知事は当初「事実無根」「嘘八百」と否定

ことの発端はことし3月、元西播磨県民局長(60)が、斎藤知事のパワハラや物品をねだった疑惑などを告発する文書を一部の報道機関などに配布した。
それに対し、知事は当時…
兵庫県 斎藤元彦知事:事実無根の内容が多々含まれている。業務時間中に嘘八百含めて、文書を作って流す行為は公務員として失格です。
この会見などを受け、元県民局長は県庁内に設置された窓口に公益通報したものの、ことし5月に告発文は「核心的な部分が事実でない」として停職3カ月の懲戒処分を受けた。
■疑惑の一部が事実だったと判明…告発した元県民局長は死亡
しかしその後、一部の疑惑が事実だったことが判明。 告発を調査するための百条委員会が設置されたが、今月7日、元県民局長が死亡しているのが見つかった。自殺と見られる。
元県民局長は「死をもって抗議する」という主旨のメッセージとともに、斎藤知事が上郡町の特産品のワインを求めた発言とみられる音声データを残していた。
斉藤知事とみられる音声:ワイン、私飲んでないので、ぜひまた。この間、いちごと…塩はあれですけど…折を見て、よろしくお願いします。
知事はワインの受け取りについて認め、当初は完全否定していた様々な疑惑が事実だったと判明する事態に。
■さらに県の元総務課長も死亡 告発文書では「阪神・オリックスの優勝パレードの資金集めで不正 調整に苦しむ」と指摘

さらに2023年に阪神・オリックスのリーグ優勝パレードを担当していた県の元総務課長が、今年4月に死亡していたことも発覚。遺族代理人によると、自殺とみられる。
この元総務課長は元県民局長による告発文書の中で、優勝パレードの資金集めで県の不正行為があり、その調整に苦しみ、病気療養していたと指摘されていた人物だった。
県は、元総務課長の死亡から3カ月がたった7月23日、初めて県職員に通知したということで、斎藤知事は、24日の記者会見で「遺族の意向で公表していなかった」と説明した。
兵庫県 斎藤元彦知事:改めまして元課長におかれましては、パレードへのご対応のご尽力、お亡くなりになられたことへのお悔やみを申し上げたいと思ってます。
■「県政立て直し」「職員に感謝」繰り返し辞任を否定する斎藤知事

職員2人が死亡し、自殺とみられる中でも「続投」の意思を強調し続けている斎藤知事。 県の職員や知事選で支援を受けた自民党、そして県民からも辞任を迫られる事態となっているが、繰り返し辞任を否定してきた。
過去の会見でも…
兵庫県 斎藤元彦知事 7月24日:県職員との信頼関係の再構築、そして県政を立て直して行くことが私の果たすべき責任だと考えている。
また、この言葉も繰り返している。
兵庫県 斎藤元彦知事 7月24日:
・こういった状況でも、県職員の皆さんが懸命に業務に取り組んで頂いているのは、本当に感謝申し上げたい。
・これは職員の皆様にも感謝。
・まずは今すべきところは日々の業務をしっかりやっていく。県職員の皆様にも心から感謝を申し上げたい。
7月30日も同様の回答を繰り返した斎藤知事。8月1日で就任から丸3年を迎える。
(関西テレビ 2024年7月30日)