今回のパリオリンピック、32の競技の中で唯一の新競技が「ブレイキン」だ。そのブレイキンに出場する石川県金沢市出身の19歳、大能寛飛選手のオリンピックへの思いに迫った。

「世界に自分が楽しんでいる姿を」急成長の19歳が挑む

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「世界に自分が楽しんで踊っている姿とか、そういうものを世界に見てほしいなと思います」こう語るのは、石川県金沢市出身の大能寛飛選手、19歳。ブレイキン男子日本代表だ。

去年、石川県内の高校を卒業したあとはヨーロッパを中心に海外で技術を磨いてきた大能選手。オリンピック最終予選で一気に頭角を現し、2枚しかないパリへの切符をつかみ取った。

オリンピックへの思いの変遷に「強さ」

ブレイキンがオリンピックの正式種目に決まったのは2020年。その頃から大能選手はオリンピックへの強い思いを口にしていた。

大能選手:
今まで僕が頑張ってきたブレイクダンスでオリンピックを目指せるのはすごくうれしい。

去年の取材にも「オリンピックは自分の人生の中で最大の目標になってくる」と語っていた大能選手だったが、今年になってオリンピックに対する考え方を大きく変えたと言う。

大能選手:
オリンピックなんて自分の人生の小さいパートというか、別に出られなくても幸せな人がいっぱいいるじゃないですか、勝っても負けてもただそれだけのこと。オリンピックに行けなくても
ただそれだけの事みたいな。それが自分のメンタルと自分のブレイキンを大きく変えてくれたなと思います。オリンピックなんて小さいことなんですよ。されどオリンピック、本気で金メダルを取りに行きます。

大能選手が得意とするのは、アクロバティックな回転技「パワームーブ」その中でも特にこだわるのが「ワンハンドエルボーエアー」だ。片方の肘だけを使って回転する最高クラスの難易度を誇る技。大能選手は、「世界には僕よりワンハンドエルボーエアーの回数ができる人もいるんですよ。でも自分の形とかスピードを見てみんなが沸いてくれるのでそこは誇りに思っていて、シグネチャーだって言えますね」と自信を見せる。

恩師や仲間のメッセージに「ホームは石川にある」

日本代表に決まってから、大忙しだという大能選手に石川テレビからあるプレゼントを贈った。

大能選手:
KUMA先生!

かつて大能選手を指導していた先生たちからの動画のメッセージだ。

メッセージ:
今の寛飛の最大限を活かせるように気負わず思いっきり楽しんでくれば結果につながってくるかなと思うので楽しんで頑張ってください!全力を出し切って怪我無く1ミリも悔いがないように頑張ってください。

さらに…大能選手が「懐かしい!」と発したのは中学や高校で共に踊った仲間達からのメッセージだった。

松本太一さん:
寛飛なりのダンスをしてもらえればと思います。
長田響さん:
悔いが残らないように楽しんで踊ればいいと思います。
北中颯太さん:
チームメイトがこういう舞台に立てるのは誇りだと思うので頭の隅っこに僕らの顔が浮かんでくれればいいなと思っていて、本当に悔いの残らないように楽しんでいただければと思います。

映像を見て「いいビデオでした。ホームが石川県にあるんだなってそれをすごく感じました」と話していた大能選手、「みんなの言っていた通り、気負わず自分らしく踊れたらいいなって思いました」と誓っていた。

さらにパリオリンピックの目標を聞いてみると…

大能選手:
何が起きてもただそれだけのこと。全力で楽しむ、B-BOY Hiro10 Let's Go!

(石川テレビ)

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