長野県内では人里でのクマの出没が相次いでいる。今週は大町市と飯田市でクマに襲われ2人がけがをする被害があった。7月25日、阿部知事は「現在、出没注意報が出ていることを認識し、出没した場所には近付かない」ことなどを改めて呼びかけた。
平年の2倍…人里での目撃情報が増加
ブドウ畑をうろつく大きなクマ。6月、坂城町で通りかかった男性が撮影した。
7月23日には、安曇野市の畑の脇でクマがシカ用のわなにかかった。
その後、麻酔で眠らせ、山へ放した。
いずれのクマも人里に出没した。
この記事の画像(5枚)2024年、人里での目撃情報が増えている。6月は343件と平年の約2倍、年間で大量に出没した年の平均も大きく上回った。
人身被害も相次ぐ 「注意報」発令中
人身被害も相次いでいる。23日には大町市の登山道で78歳の女性がクマに襲われけがをした。
また、24日にも飯田市の公園近くで散歩中の男性が襲われ、顔をひっかれ大けがをするなど、24日までに6件発生した。
県はすでに6月、「ツキノワグマ出没注意報」を発令し、注意を呼びかけている。
24日、阿部守一知事は改めて、「『ツキノワグマ出没注意報』が出ていることを認識していただいて、(出没が確認されるなど)クマと遭遇しやすい場所や時間帯は避けていただければ」と注意を呼びかけた。
県はホームページで「出没マップ」を公表しており、「確認してほしい」と呼びかけている。
「警報」を発令する可能性も
一方、今後、「人里での目撃が平年の2倍以上」「1カ月に人里で人身被害が複数回発生」「山のエサが少ないことが予想される」などの基準を満たした場合は「警報」を発令することにしている。
「警報」発令時は捕獲したクマをお仕置きして山に返す「学習放獣」をいったんやめ、駆除を優先させることになる。
(長野放送)