当時世界最速となる時速300キロでの営業運転を実現した新幹線「500系」について、JR西日本は2027年に営業運転を終えると明らかにした。
■JR西日本が独自開発 ジェット機に似た顔つき

先頭車両がジェット機に似た顔つきの新幹線「500系」はJR西日本が独自に開発した車両として1997年に登場した。
■世界最速 時速300キロの営業運転を実現

当時、世界最速となる時速300キロでの営業運転を実現し、東京と博多を結ぶ「のぞみ」としても走ったが、わずか13年で引退。
現在は新大阪と博多を結ぶ山陽新幹線「こだま」として運行しているが、老朽化が進んでいて、JR西日本は2026年度までに段階的に2編成まで減らすことを決めている。
こうしたなか、JR西日本は24日、2026年度以降運転する500系・2編成についても2027年中に運転を終えると明らかにした。新大阪と博多を結ぶ山陽新幹線の「こだま」は、N700系へと順次置き換える予定だ。
■「30年走ってきた。新幹線の時代が変わっていく」

JR西日本の長谷川一明社長は、「500系」の引退について24日の会見で、次のように話した。
JR西日本 長谷川一明社長:1997年から営業運転開始ということで、廃車まで30年運用してきたが、高速走行している車両なので、30年走ってきたということで、本当に列車そのものにもありがとうという気持ちでいっぱい。新しい車両に置き換えるということで、1つの新幹線の時代が変わっていくと認識しています。
■「経営の効率化考えると、部品などの共通性に重点を置いた運用体制に」

JR西日本 長谷川一明社長:東海道・山陽新幹線は一体の運用ということで、乗り入れながら相互運用しているので、同一サービスをお客様に提供していく、様々なメンテナンスや経営の効率化を考えると、車両は統一にしながら、部品だとかそういったものも、なるべく共通化していくことが持続的な発展ということからしても、経営的にもそちらの方が、、、独自性、個別性も大事な要素だが、やはり大量高速輸送を整えていく中では、共通性により重点を置いた運用体制にしていきたいと。こういうことで、私共としても今回のこと(引退)にしたと。500系も長く、これまで走行してきたので『本当にご苦労さん』ということで、今回退役になるということです。
■「名車の退役。本当にありがとう」

JR西日本 長谷川一明社長:本当に多くのお客様にご利用いただきまして、当時はスピードに関して、色んなギネス記録も頂戴しましたし、デビューした前後には当時の通産省も『グッドデザイン賞』でありますとか、鉄道友の会からは『ブルーリボン賞』といった賞も頂いた名車であると思っております。そういった車両が一つの時代を築き上げることができて、そして今回退役していくということで、本当にありがとうということを申し上げたいなと思います。
■新幹線500系の歩み
・1997年3月22日 ダイヤ改正により営業運転開始
・2008年12月1日 8両化「こだま」の営業運転開始
・2010年2月28日 「のぞみ」営業運転終了
■主なイベント

・2013年4月10日 「カンセンジャーラッピング新幹線」運行開始
・2014年7月19日 「プラレールカー」運行開始
・2015年11月7日 「500 TYPE EVA」運行開始

・2018年6月30日 「ハローキティ新幹線」運行開始
■主な特徴

当時の営業運転速度『世界最高速』タイの時速300キロで運転。
新大阪~博多『最速2時間17分』ロングノーズの先頭形状、フクロウの羽に着想を得た空気抵抗を減らす翼型パンタグラフを搭載 (16両編成時)。
(関西テレビ 2024年7月24日)