連日災害級の暑さが続く日本列島。消防庁によると、7月8日から14日までの1週間の間に、熱中症とみられる症状で救急搬送された人の数は、全国で6194人で、そのうち65歳以上の高齢者が3970人と6割以上を占めていた。

「イット!」では、7月に入り訪問看護の現場を取材し、そこから「体の熱を逃がしにくい」といったような高齢者の“熱中症リスク”を高める要因が見えてきた。

暑さやのどの渇きを感じにくい…高齢者の熱中症リスク

連日続く猛暑。東京都内では、23日午後3時までに53人が熱中症で救急搬送された。

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さらに、熱中症の危険度を示す熱中症警戒アラートが、2024年最多となる40都道府県41地域に発表された。

そんな中、消防庁によると、7月8日から14日までの1週間の間に、熱中症とみられる症状で救急搬送された人の数は全国で6194人で、そのうち65歳以上の高齢者が3970人と6割以上を占めていた。7月に入り「イット!」では、訪問看護の現場を取材した。

看護師:
今日、朝からどれくらい(水)飲んでる?

男性:
コップ1杯ですね。

看護師:
朝から1杯しか飲んでないみたいなので、何かあります?飲み物。

この日、看護師が訪ねた相手は東京都内で息子と暮らしている97歳の男性だ。

男性は2023年の秋、自宅で脱水症状に陥っていたところを発見され、救急搬送された。それ以降、看護師が週に2回男性の自宅を訪ね、見守っている。

男性の息子に話を聞くと、「なかなか本人が飲もうとしない。要するに水分を欲しないというか。私自身も仕事をしているから、四六時中は父親を見ていられないから、それが家族としては心配」と胸の内を明かした。

看護師は男性の心臓の音を聞きながら、体の異変を指摘した。

看護師:
ちょっと汗かいてるね。汗かいてますね。やっぱり。

男性:
ちょっと(体が)温かいっていうかね。

高齢者は、体の熱を逃がしにくいという。そこで、看護師が男性をベッドに座らせ、体の汗を拭きとった。

高齢者は、部屋の暑さやのどの渇きを感じにくいため、エアコンの適切な使用や、こまめな水分補給を促すために、声をかけることが最も重要だという。

さらに訪問看護に詳しい、訪問介護ステーションブロッサム・西村直之代表はこう話す。

訪問看護ステーションブロッサム・西村直之代表:
室温、そして湿度、水分補給、ここはもうしっかりと、うるさいなと言われるくらい私たち看護師は現場でお声がけする。

こうした地道な声掛けの積み重ねが、高齢者の命を守ることにつながっている。
(「イット!」7月23日放送より)

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