7月8日、東京都心では強い日差しが照り付け、最高気温は36℃を記録。今年一番の暑さとなりました。

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また、福岡県筑後市では86歳の男性が畑で倒れているのが見つかり、その場で死亡が確認されました。警察によると、農作業中に亡くなったとみられ、熱中症の疑いがあるということです。

東京・府中市の温度計が示していたのは39.9℃。40℃に迫る“災害級”の危険な暑さです。

関東では8日、今年初めて全域で熱中症警戒アラートが出され、午後3時までに361人が熱中症とみられる症状で救急搬送されました。

そんな中、「めざまし8」は救急の最前線で命を守る、加須消防署の救急隊員に密着取材しました。

最前線で働く救急隊員に密着取材

アナウンス「救急指令 救急加須1 加須消防署第一出動」

午後2時。突如、救急指令がアナウンスされ、隊員が慌ただしく救急車に乗り込みます。

取材スタッフ:
隊員3名が救急車に乗って出発していきます。

救急隊長:
男性。貧血により転倒して顔面を負傷だそうです。外傷セットも準備お願いします。現場は工場ね、工場。

向かったのは、通報があった工場。1人の男性が救急車へと運びこまれます。

救急隊長:
午前中は何か自覚症状はありましたか?
男性:
ないです。
救急隊長:
普段通りでした?
男性:
はい
救急隊長:
お昼ご飯は最後 何時ごろ食べました?
男性:
12時半ごろ
救急隊長:
しっかり覚えてらっしゃいますね。

男性は20代。意識もあり、受け答えもできる状態ですが、休憩時間中にめまいがして転倒。床に顔を打ちつけてしまったといいます。

救急隊長:
右手がしびれる感じですか?
男性:
両手。水を飲んだら治るかなと思って飲んだんですけど治らなくて倒れた…。
救急隊長:
作業環境はどうでした?
付き添いの上司:
温度は23℃前後で。

救急隊長:
特に暑いなという感じはしなかったですか?
付き添いの上司:
そうですね。

男性が働いていた工場内には、クーラーがあり温度管理も十分だったといいますが、連日、猛暑が続いていることもあり注意が必要なことがあるといいます。

救急隊長:
ご本人としてはやはり朝から数えて水分摂取量が特に多いわけではなく、普段より少なめかなというところで少し脱水症状の可能性もあるかなというところ。
その場は暑くなくてもきのう、おとといと疲労が蓄積したり暑い場所にずっといて突然涼しい場所に行っても、やはり体が対応しきれずに何か症状を発症してしまうきっかけになりますので。

救急隊長は、暑さによる疲労や、水分補給が不十分だった可能性を指摘しました。
その後、男性は病院へと運ばれ、治療を受けました。

救急隊員に聞く「熱中症の正しい判断基準や対処法」

連日の猛暑で高まる熱中症のリスク。
最前線で働く救急隊員が教えてくれたのは、「自力で水分補給ができるか」など、熱中症の正しい判断基準や対処法。

めざまし8の気象防災キャスター天達武史さんから詳しく解説してもらいます。

MC 谷原章介:
20代の方が涼しいなかで倒れるというのはどのように考えたらいいですか?

天達気象防災キャスター:
おそらく熱中症を警戒しなくてはいけない日が一日ではなく、ここ数日続いてますのでかなり疲労が蓄積されているという可能性はあると思いますね。

MC 谷原章介:
外は暑くて、中は涼しいという寒暖差にも大きな影響があるんですかね?

天達気象防災キャスター:
それもあると思いますね。これだけ一気に暑くなっちゃうと、身体ってそんなに慣れないんですよね。35℃を超える日が続くと、どんどん疲労が蓄積されて涼しい部屋でも、この男性のように倒れてしまう場合があります。ピークを超えてもそのあとの数日は気を付けたほうがいいです。

小室瑛莉子アナウンサー:
あとはやっぱり食べることをしっかりしないと、どんなに寝ても疲れがとれないという印象はありますね。

天達気象防災キャスター:
本当にそれ大事!そして熱中症の症状がでたときに、救急車を呼ぶかどうか迷われる方が多いと思います。救急車を呼ぶかどうかの判断基準。あくまで目安としてですが以下のようになります。

<「救急車を呼ぶ」判断は?>
・自分で水が飲めない
・水分や塩分補給しても症状改善しない
→速やかに医療機関へ

・「意識」に異常がみられるとき
会話に答えられない、答えが支離滅裂など
・嘔吐が止まらないとき
・全身けいれんしているとき
→すぐに通報

天達気象防災キャスター:
救急車が来る間も暑いですよね。その間にできることもあります。真っ先にやるべきことがあります。

<熱中症の応急処置>
・涼しい場所に移動する
・衣服を緩めて風通しをよくする
・氷などを布で巻いて、血管の太い首や脇、そけい部に当てる

(「めざまし8」2024年7月9日放送)