5月19日(日)、大分県・オートポリスで行われたスーパーフォーミュラ第2戦。
トップでチェッカーを受けた瞬間、感情を爆発させたドライバーがいた。
チーム無線:
おめでとう!ついに勝った!
牧野無線:
(涙声)もうオレ勝てないと思った、スーパーフォーミュラ。もうオレ絶対勝てないと思ってた…。
牧野任祐(まきのただすけ)、27歳。
スーパーフォーミュラに参戦して6年目で、ついに掴んだ栄光だった。
そして、もうひとり。
太田無線:
任祐勝った?勝った?
チーム無線:
任祐ぶっち切りでした、任祐勝ちました。
ウィニングランをする牧野のマシンに追いついて、拳を振って渾身の祝福を送ったのは、去年の最終戦、ルーキーイヤーで初優勝を果たした、太田格之進(おおたかくのしん)、25歳。
牧野と太田、2人は同じドコモ・チーム・ダンディライアンで戦うチームメイトだ。
お互いの存在を2人はどう感じているのか。
太田:
やっぱりもちろん速いですし強さっていう部分が一番感じるかなっていうふうに思います。
レース中のバトルも強いですし、常に冷静かなとは思います。だけど意外と勝った時はすぐ泣いちゃうんで(笑)。
牧野:めちゃくちゃ言うやん(笑)。今のスーパーフォーミュラだけじゃなく別のカテゴリーですけどスーパーGT含めて一番勢いがある若手っていうふうには僕からは見えていて。
性格的にはテンションが高い時と低い時の差は多分めちゃくちゃ激しい気がしますね。それに合わせるこっちの身にもなってくれと思います。僕はだいぶ気を使って普段やってるんで(笑)。
太田:
いやいや、僕も気を使ってます。
1997年生まれ、大阪出身の牧野と、1999年生まれで京都出身の太田。年齢は2つ違いで、同じ関西出身。実は2人の出会いは幼少期まで遡る。
太田:
僕3歳からカートに乗っているんですけど、キッズカート時代、関西カートランドとか本当にデビューしたチームも一緒ですし、だから本当にちっちゃい時から知っています。
幼い頃に出会った2人が20数年の時を経て、国内最高峰のスーパーフォーミュラで同じチームに。
さらに2人ともその表彰台の頂点に立つところまで辿り着いたのだ。
太田:
僕の場合はやっぱり去年が1年目で早く結果を出したいっていう気持ちはもちろんすごくあって。
その中で1勝したことによって本当に自分が持っている自信と周りの評価とすごくマッチしたというか、やっぱり俺できるなっていう自信の再確認と気持ち的にはより強くなれたかなというふうに思います。
牧野:
僕の中では去年5シーズン目で結局勝てなくて、先を越されたという形にはなったんで(自分が)優勝してほっとした気持ちがかなり強くて。
ちょっと肩の荷が下りたかなっていうのもありましたけど、今は正直勝ったからといって自分の気持ち的にも大きい変化があったかと言われたら正直特に変わらず、今までのアプローチが間違っていなかったんだなっていうのは再確認したぐらいなので。
まさに2人は、互いを高め合う最高の「相棒」同士。
そして同時にコース上では「ライバル」でもある。
今年3月の開幕戦ではチームメイト同士で、“一触即発”の激しいバトルを見せた。
太田:
開幕戦は今年2024年を占うじゃないですけど、ちょっと自分が今年は行くっていう気持ちも含めてお互いを信頼した上で激しいバトルができたのかなと思いますね。
牧野:
チームメイトと言えばやっぱり一番身近にいて一番同じような車に乗っているので、一番その比較される場所ではありますし、お互い負けたくない気持ちはもちろんあると思うんで、その中で起こる必然的なバトルだったのかなと思います。
第3戦を終えドライバーランキングで、牧野が27ポイントで3位、太田は16ポイントで7位。
さらにチームランキングでは2位。今シーズン、2人が見据えるのはもちろん。
太田:
ドライバーズチャンピオンを一番の目標に掲げつつも、チームチャンピオンもやっぱりダブルで狙いたい。そのためには2人で頑張っていかないといけない
牧野:
トップもまだ近いですし、それ以上にちょっとチームランキングがポイント離れてしまっているので、そこも踏まえてチームみんなで頑張っていけたらなと思います。
最高の相棒であり、最強のライバル。その切磋琢磨がきっとチームを、2人を、頂点に近づけていく。
スーパーフォーミュラ第4戦は7月20日(土)~21日(日)、富士スピードウェイで行われる。
「MONDAY MOTOR SPORT」
フジテレビ系「FNN Live News α」内で放送
毎週月曜23時40分~
スーパーフォーミュラ2024
第4戦 静岡県・富士スピードウェイ
7月20日(土)~21日(日)
https://superformula.net/sf3/
トヨタイムズ
https://toyotatimes.jp/