全世界に拡散した女神の連行映像  

香港警察に国家安全維持法違反容疑で逮捕された周庭(アグネス・チョウ)さんはパスポートを没収され翌日保釈された。

周庭さんが逮捕された際の映像は世界に拡散した
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全世界に瞬時に拡散したあの逮捕映像は実にショッキングで「中国、そこまでやるか」と思ったが、すぐに保釈したのは中国政府も民主化の女神を「みせしめ」にしつつ、やはり国際的非難を少しは気にしたのだろうか。

いずれにせよ世界が中国を見る目は大きく変わる。今や米国と共に英国も「反中」に大きく舵を切っており「ご近所の大国」である日本が今後どう向き合うのか世界が注目している。

ロシアのワクチンは人体実験

一方新型コロナも世界的に見れば拡大が止まらない。驚いたのはロシア政府が国産ワクチンを認可したことだ。ただこのワクチンは大規模な臨床試験を行っていない。医療が未熟で貧しいロシアでは感染拡大防止の術がなく、こういう危険なワクチンを使わざるを得ない。一か八かの人体実験だ。実に恐ろしい。

認可はされたが安全性や有効性を疑問視する声も出ているというワクチン

これに比べてわが日本ではコロナにはイソジンが効くんじゃないかとか、お盆の帰省は気をつけて、などかなり悠長だ。医療介護に余裕があるので、口では大変だと言いながら、実は多くの人が死の危険を感じていない。

与党でも野党でもない「ゆ党」的な立ち位置

そして政治に至っては世界中がいろいろ大変な時に野党が合流だ、分裂だ、と騒いでいる。結論だけ言うと今62人いる国民民主の50人位は立憲民主に行くらしい。立憲民主は今89人いるので、これに野田前首相ら無所属の20人が加われば160人と結構な数になる。つまり元の民主党に戻るわけだ。「二大政党制の復活」と言う人もいる。

国民民主党の玉木代表

ただ国民の玉木代表や前原元外相らは立憲には行かないし、すでに旧民主の細野、長島氏らは自民に行ってしまった。つまり旧民主は分裂後ようやく元のさやに納まるのだが、保守系の相当部分がごっそりこぼれており、二大政党制の復活にはとても届かず、せいぜい昔の社会党程度になってしまった。これでは政権奪取は難しい。

国民から立憲に行く人たちのことを「選挙に勝つためだけに志を捨てる裏切り者」と批判するのは可哀相かもしれない。政治家にとって選挙で負けることは侍が戦に負ける、すなわち「死」を意味するからだ。

それでも今回立憲に行かない玉木氏に対しては「あっぱれだ」と称える声が上がっている。現実には味方に裏切られ、枝野氏にほとんどの仲間を持って行かれたわけだから「敗軍の将」ではあるが、筋は通した。

今後玉木氏や前原氏がどういう形で政治活動をしていくのかはまだ見えないが、憲法改正の考え方等から見て維新だけでなく、自民とも親和性が高いと見るのが普通だ。すなわち与党でも野党でもない「ゆ党」的な立ち位置になるのではないか。

今の安倍首相と組めと言われても、これまでの経緯から無理だろうが、例えば“石破首相”だったら組む可能性はあるのではないか。玉木氏には石破政権の官房副長官などをやらせれば面白いと個人的には思う。

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】