地域の足、そして観光列車として親しまれている秋田県内陸部を走るローカル鉄道「秋田内陸線」が、全線開業から35年を迎えた。節目の年に生まれた「カプセルトイ」がいま話題となっている。中身は鉄道ファンの好奇心をかき立てる粋な企画だ。

四季折々の景色が魅力の秋田内陸線

車窓から見える四季折々の景色やゆったりとした鉄道の旅を満喫できるのが魅力の秋田内陸線は、秋田・仙北市の角館駅と北秋田市の鷹巣駅を結ぶ全長94.2kmの鉄道で、1989(平成元)年4月1日に全線が開業した。

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以降、通勤や通学、買い物など沿線住民の生活を支え、多くの観光客を楽しませてきた。

横浜から訪れた乗客は「初めて乗った。楽しかった。田んぼアートがとても良かった」「内陸線を全線乗ってみようと。田んぼアートなどを見ながらゆっくりと楽しめた」と、秋田内陸線の魅力を存分に満喫していた。

実際の部品入ったカプセルトイ登場

全線開業から2024年で35年。

この節目を記念して角館駅に新たに登場したのが、ガチャガチャで知られる「カプセルトイ」。その名も「部品ガチャ」だ。

1回500円で、カプセルを開けると、運転表示灯や運転席に備えられたスイッチなど、内陸線の車両に実際に使われていた部品がそのままの形で入っている。

これらは、鉄道・車両の整備で部品を交換した際、会社が保管していたもので、部品の数々からは35年の歴史が感じられる。

秋田内陸線を運営する秋田内陸縦貫鉄道の大野むつみさんは、「いつもは陰で目に触れることのない部品たちも紹介したいと、新しい試みとして部品をカプセルに詰め込んで紹介したいと企画した」と話す。

鉄道ファンも社員もみんな笑顔に

カプセルの中身は全部で10種類。部品のほか、異なる区間の切符がセットになった景品も用意され、どれも鉄道ファンの心をくすぐる。

東京から訪れた鉄道ファンは、「企画をどんどんやったほうが良い。応援してます!」と笑顔を見せた。

笑顔で話す大野さん
笑顔で話す大野さん

「部品ガチャ」は6月20日に設置されて以降、人気はうなぎ上り。「『部品を目にすることが普段ないので』と鉄道ファンが大変喜んでいると聞くので、私たちもうれしい」と社員たちの喜びもひとしおだ。

大野さんは「沿線の利用客や鉄道ファン、社員も一同になって35周年を祝って、良い一年にしていきたい」と意気込みを話す。

秋田内陸縦貫鉄道は、空路と陸路の二刀流で勤務している航空会社の客室乗務員とカプセルトイの第2弾を考案中で、全線開業35年の節目をさらに盛り上げていきたいとしている。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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