小池氏と蓮舫氏の一騎打ちとみられた選挙戦に割って入ったのが、前安芸高田市長・石丸伸二氏(41)です。
7月6日、最後の演説となった東京駅・丸の内口の広場には見渡す限りの聴衆が集まっていました。

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前安芸高田市長・石丸伸二氏:
皆さん、こんばんは。東京都知事候補の石丸伸二です。
次世代の期待に応えるかっこいい大人の姿を見せつけましょう!

17日間で実に229回の街頭演説を行った石丸氏。
立候補前の知名度は高くなかったものの、日を追うごとに聴衆の数が膨れ上がり、小池氏に次ぐ2位と躍進を見せました。
その舞台裏にはネットを大いに活用した“SNS戦略”がありました。

石丸伸二氏 “SNS旋風”で大躍進

前安芸高田市長・石丸伸二氏:
きょう、石丸伸二を生で初めて見る方!YouTubeで見たことあるよって人!

初めて演説にきた都民 20代女性:
YouTubeで(見て)全然政治に興味なかったんですけど、なんか面白そうだな、応援してみたいなと思って、生で見てみたいと思って来てみました。

初めて演説にきた都民 20代女性:
TikTokとかでも回ってくるのでそういうので見始めました。言ってることが端的で、核心ついてて、若い人にも分かりやすい。

取り込んだのは若者だけではなく、SNSで石丸氏を知り、演説を見に来たという年配の女性も。

初めて演説に来た都民 60代女性:
人生で初めて街頭演説に来ました。
(きっかけは?)YouTubeですね。間違いなく。今までかつて見たことがないほどの人物だということをインターネットから感じた。

都民 70代女性:
昨年の夏ぐらいから(YouTubeを)見始めまして、もうどっぷりはまっておりまして、もう大好き。射抜かれました。

前安芸高田市長・石丸伸二氏:
皆さんお持ちのスマホに入っているLINE。お友達並んでますよね。上から順にみなさんが好きな石丸伸二の動画送りつけてください。

「動画を拡散してほしい」と何度も呼びかける石丸氏。

これまで選挙にはあまり関心がなかったという女性は友人に石丸氏の演説動画を拡散したそうです。

都民 40代女性:
(石丸氏の)知名度がまだまだ足りてないところがあるので、LINEを十人ぐらい友達に送ったり、この人についてちょっと見てほしいっていうのでご案内したりとかしました。

演説会場にも「撮影・拡散OK」の文字が掲げられ…

さらに、一般の人たちが生配信する姿もありました。

――同時に配信しているような人たちもいました。そういう応援は今までに無かったと思うが?
前安芸高田市長・石丸伸二氏:

私の中では極めて普通です。あれありきだと思ってました。ネットとリアルを融合させる。それが今回の選挙のポイントだというふうに思っています。もうこの力はネットからリアルにしっかりこう伝播してるのは伝わってるなというふうに感じました。

石丸氏によると、2億円を超える献金が全国から寄せられたといいます。

SNSを積極的に活用し、急速に支持層を広げた石丸氏。

その石丸氏を支えた一人に、これまで多くの候補者を当選させ、“選挙の神様”とも言われている、藤川晋之助さんの存在がありました。

“選挙の神様”が語る石丸氏 大躍進の背景とは?

石丸氏陣営 選対事務局長 藤川晋之助氏:
1回ぶん殴ってやろうかなと思ったときもあったんですけどね。(石丸氏は)なかなかの男です。

石丸氏陣営 選対事務局長 藤川晋之助氏:
(演説には)述べ10万人、地域で集まってもらったんです。圧倒的なYouTuberの方とかそういう人たちが、(動画を)ワーッと出してくれるから、それ(石丸氏関連の動画)を見てる人は、計算をある会社がしてくれたんです。1億2000万回の再生なんです。全部で。
やっぱ本人の魅力ですよね。ブレないということとエッジが効いていて。
将棋における藤井、野球における大谷、政治におけるまさに石丸、こういうふうになれる素質があるなと思ったんです。

今回のSNS戦略によって、石丸氏の公式YouTubeチャンネルの登録者数は約29万人に。ライブ配信動画前14本の総再生回数が約625万回。献金額は2億超、ボランティアの数が5000人を超え、選挙戦に大きな影響があったと思われます。

MC  谷原章介:
橋下さんは、石丸氏の躍進をどう思いましたか?

橋下徹弁護士:
これはすごいことです。こんな短期間で2億円のお金とか、5000人のボランティアなんていうのは普通集まりません。なんといっても160万票を集めるなんていうのはとてつもないことなんです。石丸さんに対しては政策的なことや、人柄的なことなどに対して批判的な意見もありますけれども、これからの世代、特に組織に属していない若者、将来世代、無党派層、ここの票をしっかりつかまえるためには石丸さんのような政治家のスタイルが必要なんだっていうことを強烈に打ち出してくれました。

MC谷原章介:
今回、石丸さんは若者の層の取り込みには成功しましたけれども、母数の人数としてはやはり若者よりも高齢者の方が多いじゃないですか。そのあたりこれからどう戦っていくべきですか?

橋下徹弁護士:
まず石丸さんが情報発信をし始めた期間が極端に短いです。SNSやYouTubeの世界では石丸さんの名前はかなり知れ渡っていましたけれども、やはり地上波で情報を伝える威力っていうのは計り知れないものがあって、石丸さんがきちんと公平に情報発信をできたのであれば、もっと票は増えたと思います。
これは僕の予想ですから確定的なものではないですけど、ここは政治討論含めて、きちんとメディアが情報を有権者に届ける役割を果たさないといけないと思います。

MC谷原章介:
戸川さん、ほかの候補者の方もSNS等を使って政策等をみなさんに知っていただくべく努力されていたと思うんですけど、なぜ石丸さんだけがみなさんに注目されて、SNSが拡散されて視聴数が上がっていったんですかね。

選挙プランナー 戸川大冊氏:
一言で言うと「推し活」ですよね。事務所がオフィシャルに発信しているものはそんなに手の込んだものはなかったんですけれども、周りの方々、配信者の方とか、切り抜き動画を作って配信してくれる方々が、どんどん拡散してくれる。従来型の政治家の方とは全く手法が違って、蓮舫さんや小池さんはきれいな動画を配信してシェアしてもらうというふうに考えるんですが、石丸さんの場合は自分たちでクオリティーの高いものを作るというよりは、周りの方々にどんどん拡散してもらう。さらに編集や文字入れもやってもらって拡散するという手法をとっていて非常に新しいなと思いましたね。

(めざまし8 7月8日放送)

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