バスケットボール男子・日本-韓国の国際強化試合(東京・有明アリーナ)は5日、2連戦の初戦が行われ、日本(世界ランキング26位)は格下の韓国(同50位)に大苦戦し、最終・第4クオーターで猛追するも84-85の1点差で敗北。トム・ホーバス監督は「出だしからやらないと。目を覚まして」と選手らに“喝”を入れた。
この記事の画像(14枚)試合は左ふくらはぎの肉離れによりリハビリ中の渡邊雄太は出場せず、また八村塁(レイカーズ)も、日本に帰国してから日が浅く、コンディション調整を優先するとして5日・7日の日韓戦を欠場することになり、アメリカ・NBA組2人を欠く形での対戦となった。
精細さ欠く日本 第4クオーター河村牽引で猛追 同点持ち込むも残り1秒で勝利逃す
この日第1クオーターは河村勇輝(横浜BC)、比江島慎(宇都宮)、馬場雄大、ジョシュ・ホーキンソン(SR渋谷)、渡邉飛勇の5人でスタート。
比江島が立て続けに3ポイントシュート2本を先制するなど日本が好発進したが、残り3分半で韓国が逆転。辛くも2点リードで終わったものの、続く第2クオーターも韓国のインサイドへのアタックを度々許し、若手選手らに3ポイントを次々と沈められ、35-46の日本11点ビハインドで前半を終了した。
第3クオーターも日本は自分のバスケットをプレーすることができず、ターンオーバー(シュートミス以外で攻撃権が移ること)から相手方の速攻を許す場面も多発。ホーキンソンが8得点の貢献をするも、韓国はイ・ジョンヒョンが3ポイントシュートを3本決め、また日本の守りの隙をついたインサイドでの攻撃も冴え、日本は52-72の20点差にまで引き離された。
しかし、スタメンと同じ5人でスタートした最終第4クオーターは日本が“覚醒”したかのように様相が一転。馬場の4連続得点を皮切りに、河村が自ら2点、3点シュートを重ねてチームを牽引して猛攻。ジェイコブス晶(ハワイ大学)が河村のアシストで2連続の3ポイントシュートを炸裂するなど日本が激しく追い上げる。
試合残り37秒で、河村のフリースローでついに日本が逆転。残り15秒で同点となったが、残り1秒でホーキンソンが痛恨のファウル。韓国にフリースローで1点を奪われ、84-85で日本はまさかの黒星を喫した。
河村「あってはならない試合。この試合から学ばなければ無駄になる」
試合後のインタビューで河村は「1点差だったが、点差以上に反省の多い試合だった。第4クオーターだけ自分たちのバスケットができた。第3クオーターまで苦しい時間が続いた」と語った。
さらに会見では「リバウンドも負けているし、試合当初から相手のエネルギーがすごくて、相手の方が自分たちのバスケットを常にしていた。自分たちが後手後手になってしまった。あってはならない状況、あってはならない試合をしてしまった。この試合から学ばなければ本当に無駄になってしまうので、マインドセットを切り替えて、日曜日の試合(日韓戦2戦目)は自分たちからヒットファースト、ディフェンスの遂行力を高めて戦うことが必要だ」と改善を誓った。
また、ホーバス監督は「第3クオーターまでウチのバスケができず残念。第4クオーターは目を覚ましたかなと。もっともっとステップアップしないと、(パリ五輪本番まで)あと3週間しかない。明後日の試合は第4クオーターの気持ち、雰囲気を試合の出だしから見せたい。お願いします」と語り、選手らに“喝”を入れた。
NBA組2人が欠場した中、格下チームとの痛恨の敗戦に不安と課題を残した日本はどのような改善、成長を見せてくれるのか。
五輪本番前の国内での強化試合は7日の第2戦が最終となり、いよいよ26日に開幕するパリ大会で、ホーバスジャパンは念願のベスト8入りを目指す。