・学期の始まりには、ほとんどの学生が、ルックスやファッションの優れた同級生を魅力的だと評価した。

・3カ月後には見た目の影響は薄れ、ルックスが悪い学生も「魅力がある」と評価されるようになった。

ルックスが絶大な影響を持ったのは最初だけで、時間をかけてお互いを知るにつれて、魅力的な人物の対象が変わったわけです。

約350人の男女を対象にした別の調査でも結論は同じで、「ルックスが良い人に魅力を感じる」と答えた者は全体の2〜3%に過ぎませんでした。

多くの人は、思いやり、道徳性、公平な性格などを「魅力の要素」として挙げており、ルックスを重要視するほうが少数派でした。この研究を手がけた心理学者のポール・イーストウィックは、こう指摘します。

「よく言われるように、時間をかけて相手を知るだけで、その人はより魅力的になる。そこで影響を持つのは見た目ではなく、各人の『ユニークな個性』こそが、長期にわたって魅力を定義する」

ルックスが私たちの魅力を高めるのは、せいぜいが初対面から1カ月まで。それ以降は「個性」の影響が強くなり始め、長い目で見ればほぼ無関係なレベルに落ち着きます。

ルックスの評価は好感度で変わる

もうひとつ、中国で行われた実験も見ておきましょう。