牛を襲い続けた「OSO18」の脅威にさらされてきた北海道東部で、新たなクマの被害だ。
北海道東部の別海町の牧場で子牛8頭がクマに襲われたとみられ、不安が広がっている。
また“牛襲いクマ”出現
北海道東部で66頭もの牛を襲い続けた「OSO18」。
この記事の画像(7枚)「OSO18」は2019年から標茶町や厚岸町で放牧中の牛を襲撃。わなにもかからないことから「忍者グマ」の異名で恐れられていた。
「OSO18」は2023年7月に釧路町で駆除された。
そんな「OSO18」は2023年7月に釧路町で駆除され、酪農家も安どしていたが、駆除から約10か月後、またも北海道東部でクマに襲われたとみられる牛の死骸が見つかった。
別海町でまたクマが襲われる
死骸が見つかったのは、別海町中春別の育成牧場だ。
現場のわずか約100メートル離れた場所には民家がある。
5月20日午前8時50分ごろ、牛の死骸を見つけた目撃者が「子牛が襲われ4頭死んでいる」と警察に通報した。
現場にはクマの足跡が残されていて、ヒグマによる被害とみられている。
地元の農協によると、現場では生後1、2か月の子牛8頭が襲われ、このうち4頭が死んだという。
「子牛12頭のうち8頭が被害、4頭が死亡。ひっかき、かみ傷、やわらかいところをかまれて死んだ。足跡は警察の調べでは17センチ」(牧場の管理者)
子牛はハッチと呼ばれる小型の牛舎で、1頭ずつ飼育されていた。
現場にはクマの足跡が残されていて、外部から侵入したとみられる。
死んだ4頭のうち3頭は屋外に引きずり出されていて、残りの1頭は牛舎内で見つかった。
ヒグマ駆除も検討
このような行動について、クマの生態に詳しい専門家は以下のように語る。
「これまで行ったことのないような場所、あまりクマのいないようなところでふらふらと歩いていくようなことはよくある(若いオスの場合)」
「OSO18のときは初動が課題だったと思う。現場にたくさん人が入ることでクマを余計に慎重にさせてしまったとか、いくつか反省点があった。早い段階で必ずわなでとれるといい」(酪農学園大学 佐藤喜和教授)
警察がパトカーで巡回するほか、町が箱わなを設置しヒグマを駆除することを検討している。