北海道では春の山菜採りのシーズンを迎えたが、1年のうちで遭難者が最も多いのがこの時期だ。
命を守るために、気をつけなければならないこととは?
“山菜採り”シーズン到来で遭難者も急増 身を守るための対策は?
5月12日、苫小牧市の山林で山菜採りをしていた70代の男性が行方不明になった。
知人と2人で山に入ったが、待ち合わせの時間になっても戻ってこなかったという。

16日現在、まだ見つかっていない。
この時期、山菜採りの人が大勢訪れる北広島市の山林では警察と市の職員がチラシを配り、山に入る際の注意を呼びかけた。

「タケノコは今が時期。迷わないように、手前の方で採るように意識している」(山菜採りに来た人)
「2人であまり離れずに一緒に行動する。クマに会わないように」(山菜採りに来た人)
北海道警察によると山菜採り中の事故は1年のうちで5月がもっとも多く、4月からの3か月間が特に突出している。
また、遭難者は65歳以上が全体の8割にのぼる。

2024年、北海道ではすでに15件の遭難事故が発生している。(5月16日現在)
遭難の原因 1 道迷い
「山菜を採るのに夢中になって、やぶの中に入って行く。ふとわれに返った時にササがいっぱい生えているので、自分がどこにいるのか分からなくなる。それで迷うことが多い」(北広島交番 中山 雄一 所長)
山林の中で方向が分からなくなり、帰る道を見失う「道迷い」。
遭難事故の7割は、これが原因だという。
北海道警察は迷った場合にはむやみに歩き回らず体力の消耗を抑え、発見されやすい視界が開けた場所で救助を待つよう呼び掛けている。
遭難の原因 2 クマ
車めがけて突進してくるクマ。
クラクションにひるむことなく襲いかかり、フロントガラスにはひびが入る。

4月28日、根室市の林道で山菜採りに来ていた男性の軽トラックがクマに襲われた。
どうにか逃げ切り、運転していた男性と同乗者にケガはなかった。
北海道警察によると、過去5年間で山菜採り中にクマに襲われる被害は3件発生。
そのうち2人が亡くなっている。
遭難の原因 3 転落
5月2日、北海道東部の津別町の崖の下で80代の男性が死亡しているのが見つかった。
警察は現場の状況から、山菜採り中に崖から転落したとみている。
男性は1人で山菜採りに出かけ、行方が分からなくなっていた。
「山菜採りに行く際は家族に行き先を言う。携帯電話やホイッスルなどの連絡手段を持つ。目立つ服装で山に入るなどして、万が一の時に備えてほしい」(北広島交番 中山雄一所長)

山菜採りの際は「自分だけは大丈夫」と過信せず、もしもの時に備えた準備が大切だ。