「怖くて立てない」…外国人からSOS。
軽装で富士山に。
なぜ軽装での外国人登山客は減らないのか。

「低い山で使うような道具しかはいていなかった」

富士山で撮影された、1枚の写真。
雪の積もる斜面に座り込んでいる外国人登山客は、別の登山客から声をかけられ、こう助けを求めた。

「怖くて、立てない」

この時、声をかけた登山家の松本歩美さんは…

この記事の画像(8枚)

登山家・松本歩美さん:
「大丈夫か?」と話しかけたら、「怖い怖い」と言っていて。このままだと、この人、降りられないのかなと。

この写真が撮影されたのは、11日の午後4時すぎ。
山頂から150メートルほどの場所で、背景に富士山の頂きが映っている。

登山家・松本歩美さん:
「チェーンスパイク」という、どちらかというと低い山で使うような道具しかはいていなかった。春山をハイキングするような服装だった。

外国人登山客が動けなくなった場所は急斜面。
松本さんは、このままでは滑落の危険があると判断し、登山仲間とともに下山をサポートした。

万全な準備をしていない登山は禁止

富士山を軽装で登る外国人は、あとを絶たない。

2023年の夏山シーズンには、タンクトップやキャミソールに短パン姿の女性もいた。

“山開き”を前に、現在、“閉山中”の富士山。

山頂に続くルートには通行止めの看板があり、万全な準備をしない中での登山を禁止している。

5合目には、登山客ではなさそうだが、薄着の人も。

“軽装での登山”について、外国人観光客は…

オーストラリア人女性:
天候が急変しやすい。経験豊富でないと無理だわ。

という声の一方で、“心配ない”と話す人も。

アメリカ人男性:
大丈夫だよ。なんとかなるさ。(下山できなくなったら)ヘリコプターで救助に来てくれるかな。

なぜ軽装で富士山に登るのか。
松本さんは、“外国人ならでは”の理由を挙げた。

登山家・松本歩美さん:
海外の人からすると、富士山は標高だけで見ればそれほど高い山じゃない。冬山の経験がないのであれば、この時期は近づかない方がいい。
(「イット!」 5月17日放送より)