都内にある柔道場にいたのは、ジャージ姿の高齢者の方々。

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指導にあたるのは、全日本柔道連盟の紙谷武さん。

紙谷さんは柔道6段で、柔道日本代表のチームドクターも務めている。そんな紙谷さんが行っていたのが…。

紙谷武さん:
(背負い投げの)方向を変える、回転するピボット運動というのが非常にバランス筋力を鍛える。

“柔道のノウハウ”を活かし、高齢者の転倒骨折を防ぐ無料の柔道教室だ。

紙谷さんは「骨折した後の人は“もう骨折するのが怖いから”と言って、例えば、出歩かなくなってしまったり、極度に転ぶのを恐れたり、消極的な人生を歩んでしまう方もいらっしゃる」と話す。

実は整形外科医としての顔も持つ紙谷さん。これまで転んで骨折してしまった高齢者をたくさん診察してきた。そこで、柔道の経験を活かして“けがをしにくい転び方”の指導を始めた。

まさに「転ばぬ先の杖」ならぬ「転んだときの柔道」である。

紙谷武さん:
転びにくい体作りをすることもすごく大事なんですけれど(転んだときの対処方法として)我々がやってきた柔道の受け身が役に立つんじゃないかと思って。

紙谷さんは柔道を通じてどのようなことを伝えたいのか。

紙谷武さん:
転んでも、もう1回立ち上がればいいじゃないかと。そういう気持ちで人生を歩んでいただけたらなって思います。

転ぶことを恐れて、外へ出なくなってしまうのはもったいない。けがをしにくい転び方を伝えていきたいという紙谷さんの活動はあすも続く。
(「イット!」5月14日放送より)