2024年に入り、国内で「はしか」の感染が相次いでいる。福岡での感染は、まだ確認されていないが、県や医師会が注意を呼びかけている。

最大の特徴は「極めて強い感染力」

「全く以前はなかったが、2024年に入ってから問い合わせが増えている状態だ」と話す、福岡市西区にある「井上さとし内科」の井上聡理事長。3月13日に福岡県医師会による注意喚起の呼びかけを機に、はしかのワクチン接種を受ける人が急増しているという。

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3月22日に東京で5歳未満の女の子の感染が新たに確認されるなど、国内で少なくとも20人の感染が確認されているはしか(3月25日現在)。その最大の特徴は極めて強い感染力だ。

接触感染や飛沫感染だけでなく空気感染も起きるため、はしかの感染力はインフルエンザの約10倍といわれている。手洗いやマスクだけでは予防できない。

井上理事長も「はしかに対する免疫がない人が感染すると、ほぼ100%発症してしまう」と、その恐ろしい感染力について説明する。

はしかに感染すると、発熱やせき、鼻水といった風邪のような症状が起こり、それが2~3日続く。そのあと39度以上の高熱と発疹が出るとされ、脳炎などの合併症を発症する可能性もあるという。中でも注意が必要なのが妊婦だ。

「井上さとし内科」・井上聡理事長:
妊婦さんが感染してしまうと胎児への影響があって、生まれてすぐ白内障があったり耳の疾患や心疾患にかかったりすることになりますので、妊婦さんはかなり気をつけなきゃいけない。予防策はワクチンですね。抗体を持っているかどうか。

はしかは“大人”も注意が必要

はしかは2回のワクチン接種で99%近く感染を防ぐことができるといわれているが、ワクチンを接種した回数は年代によって異なる。

23歳以下は2回の接種を終えている人が多いが、23歳~51歳の人は1回の接種、51歳以上になるとワクチンを1回も接種してない可能性もあるため、実は大人も注意が必要なのだ。

ところが、はしかワクチンの接種歴について街で聞いてみると…。

高校生(18歳・男性):
ワクチンを何回打ったか知らないです。

会社員(30代・男性):
いつ打ったかわからないです、小さい頃、やってたかもしれないですけど…。

母親(40代):
母子手帳に書いてあると思うんですけど、母子手帳がどこに行ったかなと思って。「確認しなきゃな」と思っていました。

抗体ステータスを把握することが大事

2回の接種が推奨されているはしかワクチンだが、自身が何回接種したか分からない場合、「自費で抗体検査をすることができる」と井上医師は話す。

抗体検査の値段は約3000円。井上医師は、まずは自分の抗体ステータスを調べ、必要があればワクチン接種を受けることを勧めている。

「井上さとし内科」・井上聡理事長:
今後、家族が妊娠した場合、小さい子どもや高齢の親御さんがいらっしゃると思うので、抗体のステータスは、はしかに限らずご存じのほうがいいと思います。いまのうちに抗体のステータスをしっかりチェックして自分の免疫ができているか確認することが、感染の抑止になると思います。

拡大の要因については、新型コロナが明けたことで海外からのウイルス流入が増えたことなどが指摘されている。その特徴や危険性を認識する必要がある。

(テレビ西日本)

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