新潟県の県央地域に位置し、隣接している三条市と燕市。金属加工を中心としたものづくりの街として知られているが、新幹線の駅名は「燕三条」、高速道路のIC名は「三条燕」など互いに意識し合ってきたライバル関係でもある。そんな両市の関係に決着をつけようと、市民同士による綱引き大会が開かれた。絶対に負けられない戦いの行方は…

三条市vs燕市 因縁は江戸時代から!?

三条市と燕市の境界に位置しているJR燕三条駅。

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普段は新幹線や在来線を利用する人などが多く行き交うこの駅に3月23日は約120人の三条市と燕市の市民が集まっていた。

三条市民:
負けられない…負けられないです

三条市民:
絶対勝ちたい

三条市民
三条市民

燕市民:
三条には負けられない

燕市民:
仕事でいま名古屋にいるが、この対決のために帰ってきた

燕市民
燕市民

この日、燕三条駅で開かれたのは三条市民と燕市民による綱引き大会だ。

駅名は「燕三条」で、高速道路のインターチェンジ名は「三条燕」となっているなど、互いを意識し合ってきた両市。

その因縁は江戸時代から続いているとも言われている。

新幹線開通時には、駅を両市の境界線に置くことは決まったものの、駅名を決める際にはどちらも譲らなかったことから、当時の田中角栄首相が「駅名は“燕三条”、駅の所在地は“三条市”とする。一方で、高速道路のIC名は“三条燕”とする」などと折衷案を出したという説も…。

そんなライバル関係に決着をつけようと、燕三条地域の若手経営者などを中心に構成されている企業が企画したこの綱引き大会。

大会の実行委員長を務める渕岡優介さんは「色んな歴史がある中で、どちらが勝つのか非常に楽しみ。どちらも精一杯頑張ってほしい」とエールを送った。

絶対に負けられない戦い! 勝利したのは…

綱引きは30人ずつが綱を引く5本勝負。

初戦は三条市、2戦目は燕市が勝利し、一進一退の攻防が繰り広げられる中、東京で行われる友人の結婚式のため燕三条駅に立ち寄った三条市の滝沢亮市長は「やるからには勝ちたい」と意気込んでいた。

互いのプライドをかけた勝負は白熱し、2勝2敗で迎えた最終戦。絶対に負けられない戦いは綱引き開始の合図から1分以上、綱を引き合う大接戦に!

そして…

「やったーーーー!」

三条市が勝利
三条市が勝利

軍配が上がったのは三条市。

三条市民:
本当に負けられない戦いだったので、勝てて本当にうれしい

三条市民:
最高にうれしい。やっぱり燕にはどうしても負けたくない気持ちがあったので、勝ててうれしい

燕市民:
悔しい…

燕市民:
良い勝負だと思ったけど、三条市、綱引き強かった

「良きライバル」仲の良さを再認識!

決着はついたものの、渕岡さんは「燕市と三条市が綱でつながる、それが今後、未来にもつながって、燕三条というのがより県外・国外に発信できる地域になっていってくれれば」と話す。

三条市と燕市の互いの結びつきを再認識するという狙いは参加者にも伝わっていた。

三条市民:
これからは良きライバルとして燕三条を高め合っていきたい

三条市民:
三条市も燕市も隣同士。有名なものも燕三条でつくっていけたらなと思う。これからも仲良くやっていきたい。綱引きだけは来年も勝ちますけど

燕市民:
若干しこりは残りつつも、仲は深まったと思う。これからはお互いに切磋琢磨して一緒に良くなっていければ

燕市民:
燕と三条で仲良くやっていかなければいけない時代なので、こういうイベントをきっかけに交流できることはすごいいいことだと思う。来年は燕が勝ちますが

綱引きを通じて互いの仲の良さを再認識した三条市と燕市。この催しは来年も開かれる予定だ。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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