2023年、山形・遊佐町に誕生したウイスキーの蒸留所で、2024年2月に新酒の瓶詰め作業が行われた。新酒は「ニューポット」と呼ばれる熟成前のウイスキーの原酒で、3月から販売がスタートし、売れ行きは順調だ。

月光川蒸留所の挑戦「ニューポット」を販売

2023年10月から遊佐町でウイスキーづくりを始めた月光川蒸留所。県内3カ所目の小規模なウイスキー蒸留所で、試行錯誤の日々が続いている。
2024年2月に蒸留所を訪ねると、瓶詰作業が行われていた。

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月光川蒸留所・長谷川千浩製造部長:
しっかり華やかさとフルーティさも感じられるような、しっかりとしたニューポットができたので、うれしく思う。皆さんに注目していただいて、こちらも期待に応えるようにいい商品をどんどんこれからも作っていきたい。

ウイスキーは通常、仕込みから熟成まで最低3年の歳月をかける必要があるが、月光川蒸留所が手がけたウイスキーの原酒「ニューポット」は、2024年1月末から2月上旬にかけて仕込んだもの。

出来立ての原酒と樽で熟成した数年後のウイスキーの味の違いを多くの人に知ってもらいたいと、「ニューポット」の販売を企画した。

月光川蒸留所・伊藤允康さん:
最近、ウイスキーの作り方もちょっと変えて、良いところだけをとるように工夫してやっていましたので、出来栄えもいいのかなと思う。

一つ一つ手作業で仕上げる

販売されるニューポットは200ミリリットル入りで約4000本。

月光川蒸留所ではスタッフ5~6人でウイスキー作りをしているため、1回で仕込むことができる量には限界があり、販売価格は高めとなっている。

月光川蒸留所・長谷川千浩製造部長:
税込みで4400円の予定となっております。しっかり洗練した味を期待していただければと思っている。

月光川蒸留所の「ニューポット」は1本4400円と高額だが、在庫は残りわずかで幸先の良いスタートを切っている。

月光川蒸留所・長谷川千浩製造部長:
これで完成ではないので、まだまだこれからいい方向に進めていけるように、従業員みんなで頭を使ってよりおいしいウイスキー・3年後のシングルモルトを目指して、しっかりとこれからウイスキーたちを育てていきたい。

酒屋も「ニューポット」に注目

月光川蒸留所の「ニューポット」に魅力を感じ、いち早く仕入れた店が寒河江市にあった。

1645年ごろに創業し、3000種類の酒を揃える鴨田酒屋。最近のウイスキーブームを追い風に取扱数は増えていて、販売している酒の半数にあたる1500種類をウイスキーがしめている。

鴨田酒屋が仕入れた「ニューポット」の本数は120本・10ケース。すでに、100本弱売れたという。鴨田紀昭社長自身も試飲し、「まろやかで華やかな感じ。ニューポットの荒々しさを感じさせずに作り、手職人さんが丁寧に作られているなと感じた」と話す。

鴨田酒屋・鴨田紀昭社長:
うちの客がリリースされたものを飲んでおかないと、3年後・5年後・10年後のウイスキーを理解できなくなる。「こういった味わいに変わる」とか、基準を持っていただいた方がより一層ウイスキーを楽しんでいただける。

月光川蒸留所が発売を始めた仕込んだばかりのウイスキーの原酒「ニューポット」。
日本のウイスキーの世界的評価が上がる中、2023年遊佐町に誕生した蒸留所の今後が注目される。

(さくらんぼテレビ)

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