ブドウの産地として知られる山形・南陽市では、「耕作放棄地」となったブドウ畑の増加が課題となっている。解決のために目を付けたのが、比較的栽培の手間が少ないワイン用のブドウで、それを使ったワインの新酒が2024年も完成した。
ブドウで「耕作放棄地」増加に歯止め
南陽市の十分一山(じゅうぶいちやま)にはブドウ畑が広がっている。
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近年、農家の高齢化や後継者不足のため「耕作放棄地」が増加し、再生を目指す市は、2019年度から県の支援制度を活用し、ワイン醸造に使うブドウを試験栽培している。
![十分一山で栽培されているブドウ](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/c/8/700mw/img_c89440ec9425db355576d7cfc8810f6d103887.jpg)
ワイン用のブドウは、生食用に比べて見た目が重要でないため、手間が少なくて済む。また、試験栽培で得たデータを新規就農の希望者などに広げることで、耕作放棄地の増加に歯止めをかけたい考えだ。
老舗ワイナリー製造「十分一山ワイン」
3月21日、南陽市内で3年目を迎えたワインの新酒の完成発表会で行われた。
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試験栽培されたブドウから作る「十分一山ワイン」は、老舗ワイナリーの「佐藤ぶどう酒」が製造を担当した。
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また、ブドウの葉と竜の顔をイメージしたラベルは、南陽高校美術部の生徒がデザインし、地域一丸となって作り上げた。
試飲した関係者は「まろやかさがある」、「さわやかな味わい」など、新酒を口にした感想を述べていた。
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南陽市・白岩孝夫市長:
ブドウの酸味と甘みのバランスがとれて、すっきりしたワイン
“耕作放棄地再生”の象徴に
木の成長に伴って、試験栽培のブドウは2023年、2022年の2倍以上の約350kgを収穫できるようになった。
ワインの製造本数も750ml瓶で約300本と増えているが、新規就農の希望者はまだ現れず、「耕作放棄地の再生」は道半ばだ。
関係者は、この「十分一山ワイン」を取り組みの象徴にして、思いを伝えたいと考えている。
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南陽市ワインブドウ研究会・須藤孝一会長:
ブドウもどんどん良くなっているし、成果がどんどん出てきていると感じる。各地からいろんな人に入ってきてもらって、『十分一山でブドウを作れば、すごくいいブドウができる』とわかってもらいたい
「十分一山ワイン」は1本2530円(税込み)で、22日から市内の結城酒店で販売されている。
(さくらんぼテレビ)