担い手がいなくなった水田や畑を活用したワイン用のブドウ栽培が山形・上山市で進んでいる。取り組み開始から4年目を迎え、この秋、まとまった量を収穫できるようになった。

耕作放棄地を「ブドウ畑」に再生

収穫の時期を迎えた、ワイン用のブドウ。上山市松沢地区にある一帯のブドウ団地には、ワイン用のブドウが9品種・7,500本以上植えられている。

一帯に広がるブドウ畑は、手放された田んぼや畑が活用されている
一帯に広がるブドウ畑は、手放された田んぼや畑が活用されている
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寒暖の差が大きく、水はけがよい上山市は、元々ブドウの栽培に適し山形県内有数のワイン産地となっている。その強みを生かして、2019年に山形県と上山市が始めたのが「耕作放棄地」をブドウ畑に再生するプロジェクトだ。

担い手がいなくなった水田や畑を中心に、約6ヘクタールのブドウ団地を整備。山形県内外の4つの法人と個人1人が新たに栽培を始めた。

4年目を迎え本格的な“収穫の秋”

栃木県でワイナリーを営む、池上峻さんもその一人だ。栃木県内や北海道に畑を持つ池上さんのワイナリーは、山形県産のブドウを仕入れていたことなどをきっかけに、プロジェクトに参入した。

こことある・池上峻取締役:
晴れの日が多く続いたことや暑かったことで生育も早くて、甘い実がいっぱい採れている

上山市でブドウ栽培を始めて4年目。2023年は約3トンと、ようやくまとまった収量を見込めるようになった。おいしいワインのためだけでなく、土地を譲ってくれた人のためにも、ブドウ作りに真摯に向き合ってきたと話す。

こことある・池上峻取締役:
託された土地だと自分たちは思っています。だからこそ託していただいた方たちの信頼に添えるように、裏切らないように頑張っていく

収穫したブドウを使って2023年はワイン1,300本の醸造を計画している。また10月ごろには、上山産のブドウで2022年に初めて仕込んだワインがデビューする予定だ。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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