はさみ1つで人物や風景を描き出す「切り絵」。まるでレースのような切り絵の、世界的アーティストの展覧会が愛媛・宇和島市で開かれた。近年、趣味としても人気が高まっているという「レース切り絵」の魅力に迫る。
はさみ一本で生み出される繊細な切り絵
宇和島市の「アトリエぱれっと」で開催されたレース切り絵展。
世界的な切り絵アーティスト・蒼山日菜さんの作品をはじめ、全国各地にいる蒼山さんの弟子とその生徒たちの作品、約100点が展示された。

神奈川県出身の蒼山さんは、フランスに住んでいた2000年に隣国スイスの文化・切り絵に出会い、作家活動を始めると、数々の国際的な展覧会で賞を受賞。レースのように繊細に切り抜いた作品が高く評価され、アメリカの雑誌・ニューズウィークの「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれた。

チョウの中にツリーやトナカイなど、クリスマスのデザインを取り入れた緻密な作品「ブリリアントバタフライ」は、約1カ月かけて完成させた。
「レース切り絵」は、はさみ1つですぐに始められて、趣味として人気が高まっているといいい、会場で蒼山さんが行った切り絵教室は満席で好評だったという。

東京在住の出品者:
東京から来ました。世の中の嫌だったこととか、きょうの仕事の失敗とかを1時間でも切り込むと忘れられるような…。いい時間を過ごせる世界です
大洲市在住の出品者:
細かさが、はさみ一本で切れるっていうのがすばらしいなと思って、とりこになっています
世界的作家の弟子に学ぶ!切り絵教室
そんなレース切り絵を、テレビ愛媛の鈴木瑠梨アナウンサーも体験してみた。

教えてくれるのは蒼山さんの弟子で、月に一回、松山と宇和島でレース切り絵教室を行っている、宇和島市在住の山下ちとせさん。
テレビ愛媛・鈴木瑠梨アナウンサー:
初心者なんですが、きょうはどんなデザインを?

レース切り絵教室講師・山下ちとせさん:
蒼山先生の代表のチョウチョなんですが、こちらを折って、二枚重ねて切っていく形になります
使うのは、切り絵専用の先が鋭利なはさみ。ずれないように紙を留め、いよいよ切り込みだ。

レース切り絵教室講師・山下ちとせさん:
時計回りで切るとギザギザになってしまいます。なので反時計回りで切ると、ラインがきれいに切れるので、そちらを意識してまず切っていただきます
切り絵のとがった部分は、どう切るのかというと…。

レース切り絵教室講師・山下ちとせさん:
はさみの先で、最後ここの角がくるように、次にはさみを寝かせて中にくっと入れます
テレビ愛媛・鈴木瑠梨アナウンサー:
チョキチョキしている感覚がすごく快感で、無心でやっていました
レース切り絵教室講師・山下ちとせさん:
みなさん、どんどん切り方が分かってくると集中してきて、何も話さなくなります

その後も、チョキチョキすること約30分…今にも飛び出していきそうなチョウが完成!
テレビ愛媛・鈴木瑠梨アナウンサー:
うわー!かわいい!かわいらしいチョウチョが出来上がりました!開く瞬間がまた快感で、感動しますね
レース切り絵教室講師・山下ちとせさん:
二つ折りの作品はそれが楽しみで、とてもラインもきれいですごく上手です
達成感も魅力の1つで、認知症予防としても取り入れられているそうだ。

レース切り絵教室講師・山下ちとせさん:
色んな種類、色んなデザイン、趣向を凝らしたデザインの切り絵になります。とても楽しんでいただけると思います
切り絵教室は月に1回、松山と宇和島で行っている。
(テレビ愛媛)