愛媛県立とべ動物園にいるチャーミングな動物を紹介する。今回は“日本最高齢”のホッキョクグマに全盲のマントヒヒと仲間たちの“友情”、水が苦手なスイギュウなど、動物たちの“新たな一面”を見つけてきた。

「日本一長生き」秘訣は丈夫な足腰と歯

まずはふわふわな毛が特徴のホッキョクグマのバリーバ。

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動物園で飼育されているホッキョクグマの平均寿命は25歳~30歳と言われていて、33歳のバリーバは現在、「日本一」長生きのホッキョクグマだ。

そんなバリーバの長寿の秘訣をキーパーさんに聞いた。

飼育担当・高市敦広キーパー(※「高」は「はしごだか」):
やっぱり運動量があるというのと歯が丈夫というのが長生きの秘訣かなと。変わらず運動場を所狭しと歩き回って、高低差のところを行ったり来たりするので、足腰が非常に丈夫なんです。歯もほとんど残っているので、固い鶏の骨なんかもせんべいみたいにばりばり食べます

ホッキョクグマは肉食動物だが、バリーバは実は小松菜が大好き。これも健康の秘訣かもしれない。

飼育担当・高市敦広キーパー:
老いを感じるというのはあまりない。1日でも長く健康に過ごしてもらえるようにお世話できたらな

ピースのお母さんでもあるバリーバ。この2頭は似ているところもあるそうだ。

飼育担当・高市敦広キーパー:
時々長い黄色いガス管があるんですけど、それを抱き枕にして寝てるんですよ。ピースもコーンを抱き枕にして寝ているので、やっぱり親子だな。戸をばんばん夕方たたく、これもバリーバもピースも共通するところ

全盲のマントヒヒを群れの仲間がサポート

続いてはマントヒヒのイブナちゃん。

生まれつき目が見えないため、体を揺らすことや手や耳がアンテナの役割となって周囲の状況を確認している。

飼育担当・二宮幸三キーパー:
群れの一員として、全盲なんですけど、何不自由なく暮らしています

生後2カ月で全盲と診断された時、キーパーさんも心配をしていたが、群れの仲間たちがサポートしているそうだ。

飼育担当・二宮幸三キーパー:
夕方には寝室に入るわけですけど、その時に入るときに遅れたら一緒に入ってくれるとか、(エサの場所に)イブナが上がってくると、ほかの場所に移動してイブナに食べてくださいというように譲ってくれる。言葉は通じませんけども、肌で感じて何とか過ごしております

その中でも特によくイブナちゃんのことを気にかけているいるのが、スアルジュとメメ。

飼育担当・二宮幸三キーパー:
本当に本当に心配をしたんですけど、2頭のメスがイブナの世話をしてくれるようになりまして、安心しました

スイギュウなのに「水」が苦手

続いては、スイギュウの未来ちゃん。

飼育担当・赤尾龍欣キーパー:
のんびりという感じであくせくすることもなく、すごい良い子です、この子は。目がすごいかわいい。つぶらな瞳で真ん丸な目で、真っ黒な目でかわいいですね

国内の動物園で初めてとなる人工授精で生まれた未来ちゃんは、2024年で18歳。実はあることが苦手だという。

飼育担当・赤尾龍欣キーパー:
頑なに水を拒否するところがあったりするから、スイギュウの割にはスイギュウじゃないよな~

スイギュウはウシ科で、本来、水浴びや泥浴びが大好きなのだが、小さい時のある事件で水が苦手になったそうだ。

飼育担当・赤尾龍欣キーパー:
水には今のところ全く入っていない。プールがあるけどもプールには入ったことがない

虫除けや暑さ対策で水を浴びてもらうのにも一苦労だということだ。
また、スイギュウ舎はこれからの季節、あるスポットになる。

飼育担当・赤尾龍欣キーパー:
園内の中でサクラの見どころが何カ所かありますが、動物と一緒にサクラの木があるのは、このスイギュウのところとヒクイドリのところだけ。動物と一緒に見られるというのは、ここはいいんじゃないかな

サクラと未来ちゃんのコラボレーションを見ることができる春が待ち遠しい。
皆さんもキュートな「とべ動物園」のアイドルたちに会いに行ってみてはいかがだろうか。

(テレビ愛媛)

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