東京・足立区竹の塚は、この10年で中国人の人口が倍増し、急速に“チャイナタウン化”が進んでいる。街を歩くと、本格的な中華料理が味わえる、日本語が書かれていない看板を掲げた“ガチ中華”の店もある。その背景には、「中国国内の景気低迷による失業率の高まりが関係している」と指摘する専門家もいる。

全て中国語の看板 人気の“ガチ中華店”

本格的な中華料理が味わえる“ガチ中華”。
その人気の理由を探るため向かったのは、東京・足立区の竹の塚だ。

日本語がない看板の“ガチ中華店”
日本語がない看板の“ガチ中華店”
この記事の画像(17枚)

そこで目撃したのが、軒を連ねる飲食店の看板。
しかし、全て中国語で書かれ、日本語はどこにもない。さらに、街には中国系の美容院やスーパーマーケットまである。
今、竹の塚では急速に“チャイナタウン化”が進んでいるという。

“ガチ中華店”の店主は日本語が分からないという
“ガチ中華店”の店主は日本語が分からないという

1カ月前にオープンしたばかりの店に入店すると、メニューは全て中国語で表記されていて、この店の店主に「ここは何の店ですか?」と聞くと、「にほんごわからない…」と返事がきた。

客が食べている料理も、日本ではあまり見かけないものばかり。
ここは、本場・中国の味をそのまま持ち込んだ、まさに“ガチ中華店”なのだった。

柔らかい豆腐に、トロトロのあんかけをかける中国の定番の朝ごはん、その名も「豆腐脳」。 中国人の常連客は「すごくおいしい!故郷の味がします」と舌鼓をうつ。

さらに低温で長時間かけて煮込むカモ料理も人気で、既に多くの中国人が常連客となっているという。店内にいた中国人の常連客に話を聞くと、「値段が安いです。この店にはもう4、5回来ているよ」と話した。

中国人の人口が10年前の2倍、1万6700人に

足立区で暮らしている中国人は、10年前と比べて、約2倍の1万6700人に増加している。

なぜ竹の塚に中国人が移り住むのだろうか。

竹の塚に住む中国人は、「家も安くて、物価も安い」「同僚の紹介で引っ越してきた。みんなもここに住んでいるよ」と話す。地元の不動産会社によると、ワンルームマンションを借りる場合、東京都心では1カ月8万円ほどだが、竹の塚では3万円ほどと、家賃が半分以下に抑えられるという。

専門家は、竹の塚に中国人が急増する背景には、中国国内の景気低迷による失業率の高まりが関係していると指摘する。

中国にくわしい評論家・石平氏:
中国では失業が広がり、企業も倒産。特に中小企業の経営者、あるいは個人店舗の経営者が中国国内で仕事がないから、新天地を求めて外に出ている。
(「イット!」 3月14日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(17枚)