フィッシング対策協議会によると、2026年3月以降、日本年金機構などをかたり本物のPayPayアプリを起動させる詐欺メールが急増し、約3カ月で8万件を超えたという。専門家はメールやSMSで送金を促されたら、まず疑うよう呼びかけている。

本物のPayPay悪用した詐欺メールに注意

詐欺の手口が巧妙化している。フィッシング対策協議会によると、電子決済サービスPayPayを悪用した詐欺メールが急増し、約3カ月で8万件を超える報告があったという。

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安宅晃樹キャスター:
手口の特徴がこれまでにないほど巧妙化されています。そこで11日の「どうなの?」は「わずか3ステップで…」本物を悪用した手口について見ていきます。この新たな手口の詐欺の相談件数が急増しています。

フィッシング対策協議会に報告があった相談件数ですが、3月頃から報告が寄せられ始め、3月は592件でしたが、4月には約2万8000件、そして5月には5万6000件を超えています。6月については9日までの間にも1283件の報告があったということで、合わせて8万6000件を超える報告があったということです。

榎並大二郎キャスター:
この春からの新しい詐欺だということがよく分かりますね。

安宅キャスター:
実際にどういうメールが来たのか、報告があった内容を見ていきます。まず日本年金機構をかたっているわけです。タイトルには「至急開封してください」や「最終通告」などと急を要するような形を装って連絡が来ます。本文を見ていくと「差し押さえ予告通知書」と書かれていて、一見すると、あたかも実際に納付しないと「資産を差し押さえられてしまうのでは」というような文言で納付を促します。メールを受けて実際に指示に従って操作をしていくと、本物のPayPayが起動してわずか3ステップでだまされてお金を奪われてしまいます。

山﨑夕貴キャスター:
怖い。本物のアプリが起動しちゃうと自分で気づくのって難しいですから、その前に気づかないとですよね。

遠藤玲子キャスター:
私もこういうようなのが来たことあるんですよ。リンクが貼ってあったんですが、この3ステップってどういうことですか?

安宅キャスター:
だまされないために、実際に送られてきたメールや操作画面を使って順に見ていきたいと思います。まず一番上に「差し押さえ予告通知書」これだけ見て、文字面だけでもちょっとドキッとしてしまいますよね。ここから下の方に画面を見ると、合計納付額としては今回26300円だったわけですが、この金額というのもメールによって違って、1万円台からさまざまです。また300円となっていますが一の位、十の位まで細かいところまで設定しているメールもあるといいます。

この下にPayPayの決済手続きというようなボタンがあり、ボタンをタップすると二つ目のステップとしては外部のサービスに切り替わる際に「このページをPayPayで開きますか?」と出てきます。ですので、ここから「開く」を押してしまうと出てくるのは本物のPayPayなんです。

上から見ていきますと、日本年金機構に送るという文言と26300円という額が出ています。ここに表示されているアイコン、右側が本物の「日本年金機構」のロゴなのですが、本当に実に精巧に作られて偽装されているわけなんです。さらに下に見ていくと、青色のボタンで26300円を送るというボタンがある。これを押してしまうと、だまされて26300円が奪われてしまいます。

起動後は取り消しできず…補償の対象外に

遠藤キャスター:
本当に今3ステップでしたし、見覚えのある画面ばかりで簡単にできてしまう。しかも押しちゃったらどうするんですか?送金されちゃいます?

安宅キャスター:
キャンセルはできないんです。今回巻き込まれる形となった日本年金機構は、ホームページでこういった支払いをメールで促すことはないとして、もし詐欺メールが届いた場合は、アプリを起動させるボタンは押さないでと注意を呼びかけています。今ご紹介したのは日本年金機構でしたが、他のケースも相次いでいるということです。例えば自治体などを装って住民税や国民健康保険料の送金を促すケースや、保険会社さらには携帯電話、金融機関などなど本当に多種多様だといいます。

三宅正治キャスター:
だまされて送金してしまったら、キャンセルはできないということでしたが、お金はもう返ってこない?

安宅キャスター:
悔しいと思いますが、PayPayによると、この場合はユーザーが自身で操作して送金してしまった場合ということで、補償の対象外になるので不正に気づいたら通報するように呼びかけています。

三宅キャスター:
ただ、最近キャッシュレスで税金を納めたりとかできるじゃないですか。そうなると、どれが本物の通知なのか見極めるのは難しくないですか?

安宅キャスター:
では、我々どうしたらいいのか、刑事事件に詳しいアトム法律事務所の松井浩一郎弁護士によると、こうした詐欺というのは、いずれも強い口調で我々の冷静さを失わせて、そこから送金につなげる狙いがあるということです。ただ松井弁護士によると、メールやSMSで送金を促すということは通常の事業者はしないということで、まずは疑ってかかる。正規の事業者は書面などで連絡が来ることが多いということです。

実際に報告があった例を見てみると、本物のPayPayのアプリが起動して送金を促す手口が急増している。

専門家は、この送金を促すメールやSMSが来たら、まずは疑うように指摘している。

メールが来ると焦ってしまうが、あくまで冷静に対応したい。まずは周囲の人に相談する。相談する相手がいない場合にも、#9110や警察の相談ダイヤルを活用してほしい。
(「イット!」6月11日放送より)

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