4日、大正製薬が日本初の内臓脂肪減少薬「アライ」を発表した。

食事から摂取した脂肪の分解・吸収を抑え、約25%を便として排出することで内臓脂肪や腹囲の減少が期待される。ただし、副作用として脂肪便や下痢などの症状をともなう可能性があるという。

内臓脂肪を減らす効果に期待

ズボンのベルトが隠れるほどの「ポッコリおなか」。

「肥満体型」の悩みを解決してくれるかもしれない「飲み薬」が日本で初めて誕生した。

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大正製薬・宍戸正臣マーケティング本部長は「健康維持増進のために、生活改善を変えたいと強く願っている生活者をサポートしていく。日本初、おなかが太めの方の内臓脂肪減少薬でございます」と発表した。

大正製薬が4日に発表したのは、おなか周りや内臓脂肪を減らすことができるとされる飲み薬。
内臓脂肪減少薬「アライ」だ。

20代の人は「結局ダイエット始めても続かないので、そういう薬があったらちょっと興味はある」とコメント。

30代の人は「飲んでやせるなら一番いい。全然ダイエットするよりはるかに楽で早い」と話した。

期待の声が寄せられた内臓脂肪減少薬「アライ」。

全国約1万近くの研修を受けた薬剤師のいる薬局やドラッグストアなどで購入することができ、その際は医師の「処方箋」は必要ない。

20代の人は「簡単にやせられそうなので使ってみたいと思います」とコメント。
別の人は「父親にプレゼントしたい」と話した。

値段は、6日分にあたる18カプセルが税込み2530円、30日分にあたる90カプセル入りが8800円だ。

1回1カプセルを1日3回服用することで、食事から摂取した脂肪の分解・吸収を抑えてくれるという。

脂肪を体内に吸収する場合、食事でとった脂肪を膵臓(すいぞう)から分泌される脂肪分解酵素が分解。そして分解された脂肪が腸の消化管から吸収される。

しかし、「アライ」を服用すると、脂肪分解酵素の働きを阻害し脂肪の吸収を抑制。約25%を便として排出し、内臓脂肪や腹囲を減らすことが期待される。

大正製薬・宍戸正臣マーケティング本部長は、「1年間服用すると、内蔵脂肪面積は約20%、腹囲は約5%それぞれ減少を確認」と伝えた。

「アライ」を服用することによって、運動など生活習慣の改善のみを行っている時よりも腹囲がより減っているのがわかる。24週、半年で約0.9cmの差だ。

40代の人は「おなか周りの肉って結構な運動をしないと落ちない。使いたいです(脂肪を)落としたいです。すっきり夏に向けて」とコメントした。

飲むだけで内臓脂肪を減らすことができるとされる飲み薬だが、購入にはいくつものルールが設けられている。

薬を購入する際には、薬剤師と対面で各種事項のチェック、生活習慣記録を提示し問題がなければ薬を購入することができる。

「アライ」は要指導医薬品であるため、購入するには薬剤師から対面で説明を受ける必要がある。

・購入するための条件として、対象は18歳以上の成人であること。
・腹囲が男性が85cm以上で女性は90cm以上。
・高血圧や糖尿病などの疾患の診断を受けていないこと。
・そして購入の3カ月以上前から、食事や運動などの生活習慣病の改善を行っていること。
などが挙げられている。

油の漏れや下痢などの副作用も

効果が期待される一方、懸念されることもある。

20代の人は「副作用とか出ても困りますし、どんな成分が入ってるかというのもちゃんと知らないので」とコメント。

60代の人も「やっぱり副作用ですね一番問題なのは。副作用がどんな感じなのか」と話した。

大正製薬・藤田透グループマネージャーは、副作用について、「油の漏れであるとか、便をともなう放屁(おなら)、脂肪便、下痢などが現れます。高脂肪食にずっと暴露された状態だと、こういった事象が発症しやすい」と説明した。

服用後は「便が油っぽくなる」、「おならをすると便が漏れる」、「トイレが近くなる」などが起こる可能性があり、脂質の多い食事を控えるなどの対策が必要だとしている。

四谷メディカルキューブ・笠間和典医師は「未病の段階・診断される前の段階で、患者さんがその原因となる病態に関して治療を開始するということ。どんどんこのセルフメディケーションの概念を国民に持ってもらいたい。この薬(アライ)は、今後日本の医療の新たな試金石になり得ると考えています」と話している。

肥満で悩む人の心強い味方になるかもしれない「アライ」。4月8日から販売される。
(「イット!」 3月5日放送より)

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