「ヘリが入ってきた…」 2024年2月、佐賀空港の滑走路を低空飛行する“アメリカ軍”ヘリが確認された。佐賀県への事前連絡はなく“無断”での飛行。防衛省は「場所を勘違いした可能性」に言及している。
“事前連絡”なく「米軍ヘリ」が…

アメリカ軍のヘリコプターが佐賀空港の滑走路を低空飛行するのが確認されたのは2024年2月28日の正午過ぎ。
カメラが捉えた映像を見ると、グレーのヘリコプター1機がゆっくりと画面の右から左に(西から東に)飛行しているのがわかる。

管制塔の職員から「ヘリが入ってきた。滑走路の予約は入っているか」と空港事務所に連絡があり発覚。
ヘリは滑走路の上空10メートル付近を2分~3分ゆっくりと低空飛行したあと飛び立っていった。
佐賀空港への事前の連絡はなかったという。
このアメリカ軍ヘリの“無断飛行”で、佐賀空港を発着する他の便への遅延や欠航などの影響はなかった。
“日米共同訓練”参加の米軍ヘリ

この問題で、九州防衛局の江原康雄局長と遠藤敦志企画部長が翌日の2月29日、事実関係を説明するため佐賀県庁を訪れた。

防衛省によると、この機体はアメリカ海兵隊の第一海兵航空団に所属する「シコルスキーCH53E」で、日米共同訓練に参加していた。
この訓練は2月25日から行われている「アイアン・フィスト24」。九州・沖縄の9カ所で日米の隊員約2100人が参加している。
米側は「機体の不具合ではない」

訓練では人員や物資の輸送・部隊の着上陸などを行っていて、佐賀空港に侵入した機体は長崎県の相浦駐屯地で訓練を終え、熊本県の高遊原分屯地に戻る途中だったという。
またアメリカ側は「機体の不具合で佐賀空港に寄ったわけではない」としている。
九州防衛局・江原康雄局長:
米側に対し事実関係の確認に加え遺憾の意を伝えるとともに、再発防止の徹底を申し行った
佐賀県地域交流部・山下宗人部長:
今回何の連絡もなしに佐賀空港に入ってきて滑走路を長い時間飛行したことを非常に問題だと捉えている
「場所を“勘違い”した可能性も」

また九州防衛局は、“無断飛行”の理由について次のように話した。
九州防衛局・江原康雄局長:
可能性であまり申し上げるのは適当ではないかもしれないが、もしかしたら何かしら訓練で使う場所を“勘違い”した可能性もある。そうじゃないかもしれないし分からない
「極めて遺憾…早急に事実確認を」

また佐賀県の山口祥義知事は、アメリカ軍のヘリコプターが無断で佐賀空港を飛行したことについて、「極めて遺憾」と話し、早急に事実確認を進めるよう求めた。
佐賀県・山口祥義知事:
事前連絡もなかったし、滑走路すれすれで飛ぶということは極めて遺憾。どういう事情だったのか、事実関係の確認と再発防止について申し入れている

佐賀空港では、2016年にオスプレイのデモフライトが行われたが、これ以外にアメリカ軍の機体が飛行したことはない。
(サガテレビ)