2月29日、突然の結婚発表をしたドジャースの大谷翔平選手。会見では「至って普通の人」と結婚相手について多くは語られませんでした。
この記事の画像(15枚)同じくドジャースで活躍している選手の妻たちはどんな人がいるのでしょうか?
大谷選手の同僚である、ドジャース〝MVPトリオ〟1番・ベッツ選手の妻・ブリアナさん。
大谷選手の番記者「Full count」の小谷真弥さんによると、キャンプ前にベッツ選手と一緒にチャリティーのボウリング大会を開催するなどしているといいます。
ドジャース〝MVPトリオ〟3番・フリーマン選手の妻・チェルシーさんは元モデル。現地での知名度が高く、球場に身につけていく商品のオンラインブティックを経営。大谷選手のオリジナルグッズも販売しています。
様々な活動をしているメジャーリーガーの妻たち。
そんな妻は、選手やチームにとってどんな存在なのか、かつてボストン・レッドソックスに在籍していた元メジャーリーガー岡島秀樹さんの妻で、フリーアナウンサーの栗原由佳さんに詳しく話しを伺いました。
「妻や子どもたちもチームの一員」
――まもなくメジャーの開幕戦ですが奥さまにとってもドキドキするものですか?
栗原由佳さん:
そうですね、でもその前にオープン戦がずっとあるので、いよいよという空気感は十分感じていると思うんです。日本人なのでうちは(めでたい)「尾頭付き」やってったんですよ。今は現役じゃないので、やっていないですけど。なのでアメリカに行っても、お魚を調達してやっていましたね。
栗原さんによると、MLBでは「妻や子どもたちもチームの一員」という考え方があるといいます。レッドソックスの本拠地では家族を球場に呼ぶ「ファミリーデー」があり、球団が選手たちとおそろいの子供用ユニホームを提供。スター選手たちと家族で野球を行ったりします。
子供たちを預かる「ファミリールーム」も完備しており、費用は全て球団が負担、シーズン通してシッターが6~7人常駐し、料理も無料、時には移動動物園がやってくることも。
――取材が過熱して奥さまが大変になるということは?
栗原由佳さん:
そこまではないですね。地元の新聞とかはすごく温かく取り上げてくださって、何個かインタビューを受けたりラジオ番組だったりありましたけど、嫌な思いをしたということは本当になくて。地元の人たちがいつでも見守っていてくれて、レッドソックスで頑張っている選手の家族なんだねと、いつも応援してくれていたという印象でした。
各球団には、選手の妻たちの“奥さま会”が存在し、球団の担当者とキャンプ中に一度顔を合わせるような集まりがあるといいます。
そこで、1年間の予定や、遠征に家族が同行できる「ファミリートリップ」期間の説明を受け、シーズンを通じて食事会や誕生会などのイベントを企画します。
栗原由佳さん:
球団主催という感じですかね、球団の方で妻帯者、もしくはガールフレンドがいる選手にちゃんと情報をくれて、パートナーがみんな集まって顔合わせをして、今シーズンこんな感じでチームが進んでいくということと、どのチームも社会貢献活動に熱心なので、レッドソックスならレッドソックスファンデーションという基金があるのですが、その活動にパートナーの方もご協力お願いしますと。
どの選手もそのシーズンたまたまそのチームで契約を頂いて仕事をしているというだけで、翌年どこに行くか分からないどころか、明日には戦力外やトレードになっているかもしれないという中で、若い家族が多いので、一緒に来たときにその町のことも何も知らないし、知り合いがいるわけでもないし、頼れる人がいるわけでもないので、やはりそこまで球団がサポートしてくれてこそ、生活が成り立つという所だと思います。
シーズン中は、選手である夫の代わり妻がチャリティー活動に参加することもあるといいます。
チャリティーベントでのアイスの配布や、寄付の電話受け付けを行うことも。
オークション形式のチャリティーでは、岡島家は「オカジマとお寿司を作ろう ディナー体験」を出品。選手の負担にならぬよう妻がアイデアを出し、夫妻の連名で出品しているそうです。
栗原由佳さん:
ラジオやテレビと一緒に、中継をしながら見ているファンの方がその場で電話をくださって寄付を受けるというのを、奥さんたちが電話を受けるので、電話を受けた瞬間に「誰の奥さん?」と聞かれるっていう。で、どこの方でどんな寄付を頂けるかというのをメモして、集めていくというのをやるですけども。
アスリート選手にとって、体調管理も重要です。栗原さんは、渡米した当初慣れない食生活で体重を減らした夫の体調管理のために、手作りの日本食でサポート。
食材集めに苦労して、毎日車で片道30分~1時間かけてスーパーに通ったといいます。
栗原由佳さん:
遠征先ではなかなか日本食を食べづらいのでということでした。
遠征先に、食事は大体どの球場でも用意されているんですけども、ちょっとスパイスがきいているものだったり、食材が違ったりで食べられるものがなくて、遠征先に必ず炊飯器とふりかけを持って行っていたんですよ。
本当に家に帰ってきている時だけちゃんとしたものを食べられるみたいな、生活が最初の頃はあったので、後からは通訳の方もついて、いろんなお店でケアして頂けるようになったんですけど、最初は本当に家でなんとかするという感じでしたね。
妻や家族が公に出るタイミングは?
メジャーリーガーの妻たちが、公の場に登場するタイミングはあるのでしょうか?
「Full count」の小谷真弥さんによると、メジャーリーグのオールスターゲーム前日に行われる「レッドカーペットショー」では、選手の妻やパートナー、家族と歩くことが恒例になっているといいます。
2007年のMLBオールスター戦前のパレードでは、岡島さんと栗原さんが一緒にファンに向けて手を振りました。3度オールスターに選出されている大谷選手は、これまで1人での登場や水原通訳が横にいながら歩いていましたが、今年のオールスターに選出されれば、妻と一緒に登場するかもしれません。
栗原由佳さん:
(渡米した)初めての年に本当によく出させていただいて、でもオールスターの最後に決まるメンバーだったので、もちろん最後に決まったんですよね。彼も日本人でそういう所に奥さんが来るという、そもそも球場に家族が来ているというのにも慣れていなくて、ただ、向こうの選手にはそういうものだよと言われて、そうなのかと。
夏だったので家族が来るとは全く思っていなかったみたいなんです。そしたら彼は遠征中だったので私はホームの方に残っていて、周りのスタッフとか他の奥さんとかに「なんでいかないの!?」とすごく言われて、まだ子供も小さいし大変だし、そんな行っても…といったら、球団のスタッフがついていくから行きなさい!と行かせてくれたという感じです。だからもう、何も考えずにこんな素敵な瞬間をなんで家族や子供たちに味あわせてあげないの、なんてもったいないという発想だったのだと後になって思いましたね。
――日本だとこのように楽しむ機会はなかなか無いと思うのですが、一緒に歩いてみてどうでしたか?
栗原由佳さん:
ファンの方の盛り上がりが素晴らしくて、こんな瞬間にいさせてもらえる私の夫は本当に頑張っているな、素晴らしいでしょ?っていうメンタリティがこういうところから生まれてくるのだなと思いました。謙遜するというのが日本人の発想ですが、すごく誇りに思うよということを、お互いにパートナーに対してもですし、お互いに思えあえるのはすごくいいなと思いました。
――奥さまが出ないといけないような雰囲気には?
栗原由佳さん:
全然自由です!全くそれをさせないという発想の方がいないわけではないので、せっかくだからもったいないから行ったらということなんですけど、最終的にはご本人と奥さんになられた方の一番心地いい形というのを全然尊重してくれると思います。
(めざまし8 3月4日放送)