米朝首脳会談で拉致問題を取り上げることを約束

 
 
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米国フロリダで行われた日米首脳会談で、トランプ米大統領は、金正恩との米朝首脳会談で、拉致問題を取り上げることを、安倍首相に約束した。

これは安倍さんに気を使ったトランプのリップサービスではない。

今回の米朝接触により以前から言われていた「デカップリング」問題が再燃した。
これは米国は自分が狙われるICBMと核だけを北に廃棄させ、日本を狙うノドンは温存させるのではないかという懸念のこと。

米国の民主党系の人や日本の左翼の人たちが嬉しそうに言ってる話。

でもこれはあり得ない。
そんなことをしたら日本は在日米軍を追い出してしまうから。
米軍は中国、中東、欧州を睨むために在日米軍基地はどうしても必要。
 

核問題、拉致問題、国交正常化すべてはセットだ

 
 

おそらく今回の交渉では、ICBM、核、ノドン、そして拉致、経済援助、国交正常化などは、すべてセットになっていると思う。
どのピースがかけてもパズルは完成しない。

トランプは金正恩に対し核とミサイルの廃棄を要求し、その代わりに体制の保証、制裁緩和、在韓米軍撤退、国交正常化というカードを切るだろう。

ただこれだけではパズルは完成しない。

米朝がうまくいけば次は日朝だ。
ここで拉致が解決すれば日本は経済援助を行うことになる。
そこまでいかないと北も困る。

逆に米朝がうまくいかなければ日朝は行われないし、万一トランプが金正恩に騙された場合は安倍さんはその話には乗らないだろう。
 

日本は変なディールに引っかからないように注意すべし

 
 

日本が「蚊帳の外」とか「乗り遅れている」とか言う人がいるが違うと思う。
むしろ変なディールに引っかからないように注意しないといけない。

トランプはとんでもない大統領だが安倍さんの言うことだけは聞く。

安倍さんの責任は重い。
 

 
 

 (執筆:フジテレビ 上席解説委員 平井文夫)

平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。