昭和49年は「1人」令和5年は「1624人」…これは、福島県内の100歳以上の高齢者の人数。この人数の分だけ、お祝いの形がある…ここまで育ててくれた大切な母親のために、百寿のお祝いをする親子を取材した。
100歳になった母へ 息子の思い
福島市のコンサートホールを訪れたのは、2月3日に100歳を迎えた齋藤歌子さん。寄り添う息子の悟さんは「100歳になった母にお祝いをしたいということと、長い間ずっと苦労をかけて育ててもらった母に恩返しをしたい。どうしても聞かせたい曲がありましたので」と話す。
この記事の画像(6枚)高校卒業を機に、親元を離れ関東で暮らし始めた悟さん。23年前に父親を亡くしてから、歌子さんに寂しい思いをさせたくないと福島市の実家に戻った。
歌が大好きな歌子さん
福島県柳津町に、10人兄姉の末っ子として生まれた歌子さん。幼少の頃、家計の負担を軽くするため奉公に出されたり、戦争で1人目の夫を亡くしたりと苦労の多い人生を歩んできた。老後は、近所の人と毎日カラオケに行くほどの歌好きだという。
愛燦燦
今は、介護施設に入所し寝たきりの歌子さん。そんな母のために、悟さんにはどうしても聞かせたい曲があった。それが、美空ひばりさんの「愛燦燦」。テレビで流れると、釘付けになっていたという歌子さんが大好きな曲。
息子の悟さんは「どんなに恩返ししようとしても、返せるものではないとは思っておりますけども、出来る限りの恩返しはしたいと思って。この先も、まだまだ感謝を、恩返しを続けたいと思っております」と話した。
「よかったね。100歳、おめでとう。頑張ったね、ありがとう」
この日、歌子さんが話すことはなかったが、悟さんの気持ちはきっと届いたはずだ。
(福島テレビ)