1月から新NISA制度が始まるなど、投資への関心が高まっている。結婚や出産などあらゆるライフイベントに備えて、資産形成をしている若者もいることだろう。
そんな中でSMBCコンシュマーファイナンスが今年1月、20代の金銭感覚についての意識調査の結果を発表した。
調査は全国の20歳~29歳の男女1000人を対象に実施。結婚しようと思える世帯年収額を聞いたところ、年収400万円でしようと思える割合(「年収400万円あれば」までの合計)は29.1%、年収500万円でしようと思える割合が45.2%、年収600万円でしようと思える割合が56.1%となった。
20代の半数以上が結婚をイメージできるのは年収600万円という結果になったが、2014年の調査開始の400万円から年々、上昇傾向(2021年は除く)にあるとのことだ。なお「年収がどんなに多くても結婚したいと思えない」と回答したのは 21.8%だった。
また、出産・子育て(1人)しようと思える世帯年収額も質問。20代の半数以上(51.4%)がイメージできるのは年収700万円だった。
これらの結果から、どのようなことが読み取れるだろうか? 若者のライフイベントと収入に関する事情をSMBCコンシュマーファイナンスの担当者に聞いた。
「年収600万円」は理想が高い?
――20代の半数以上が「年収600万円あれば結婚しようと思える」という結果をどのように受け止めている?
600万円というのは理想が高いと感じています。結婚したいと思う印象と具体的な生活にはギャップ(ズレ)もあるのではないでしょうか。
コロナ禍でハードルが高まったのではないかと思います。また、日常生活だけでなくプライベートも充実させたいと感じている人が多いのではないでしょうか。
――「年収がどんなに多くても結婚したいと思えない」という回答が2割を超えたのは、予想より多い結果?
予想より多いです。ちなみに「年収がどんなに多くても、出産したいと思えない」と回答した人の割合も上昇しています。推し活や、自己投資にお金をかけている人が多いと感じるため、結婚願望を持つ人が減っているのではないでしょうか。
子育てはさらに不安大きく
――20代の半数以上が1人目の子育てに前向きになるのは「年収700万円」という結果については?
子育てにかかる費用面からの将来に対する不安等が見受けられます。結婚しようと思える年収の調査では半数以上が600万円と回答しているため、子育てを前向きに考えるのはさらに金額がアップしています。
担当者によると、お金の知識がないため結婚や出産に不安を抱く人が多いとも考えられるという。年収で結婚や出産をためらわないためにも金融知識を早いうちに習得しておくと、今後の人生を具体的にイメージできるようになるかもしれない。