日経平均株価は、2営業日連続で史上最高値を更新した。市場では次の節目となる4万円が意識されるなか、エコノミストは実体経済との乖離を指摘している。

連休明けも史上最高値更新

連休明け26日の東京株式市場は買い注文が先行し、日経平均株価は一時300円近く値上がりした。

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終値は3万9233円71銭となり、前週22日の終値を上回って、2営業日連続で史上最高値を更新した。

市場では次の節目となる4万円が意識されているが、市場関係者は「過熱感が強く、当面はアメリカの株価を見ながらの値動きが続く」との見方を示している。

一方、経団連の十倉会長は26日の定例会見で、バブルではないかという声が一部で上がっていることを受け、「バブルがはじけることが心配なのはよく承知しているが、(最高値を)突破したときぐらいは、素直に喜んだらいいのではないか」と述べた。

最高値更新も“偏りのある動き”

「Live News α」では、エコノミストの崔真淑(さい・ますみ)さんに話を聞いた。

堤礼実キャスター:
さらに史上最高値を更新しましたが、崔さんはどうご覧になりますか。

エコノミスト・崔真淑さん:
すごいの一言です。ただ、この株高は本当に日本経済の実態を反映したものなのか、少し危ういものを感じてしまいます。というのも、あくまでも半導体関連や、グローバル企業の株価が日経平均を押し上げており、株式市場で全ての株価が上がっているわけではありません。

最高益を更新して、将来が期待されるベンチャー企業なども、市場で評価されないということも起きています。こうした偏りのある動きということは、投資家の日本経済への不安も出ているのかもしれません。

堤キャスター:
崔さんが感じる懸念には、どんな背景があるのでしょうか。

エコノミスト・崔真淑さん:
例えば、不動産市場と連動しやすい「東証REIT指数」という株価指数がありますが、これは日経平均とは対照的に、年初来安値を更新しています。今後の日銀による金融緩和縮小で、景気や不動産市場が下振れることを懸念する投資家が増えているのかもしれません。

さらに、日本の株価はアメリカ市場の影響を受けやすいということが知られていますが、このタイミングで、アメリカのビックテック企業、例えばFacebook、マイクロソフトなどの創業者が、自分の会社の株を売却するという動きも出ています。

こうした動きは、市場ではネガティブに反応することはよくあります。このまま日本の株価上昇が続くという、楽観的な姿勢をとり続けるのはリスクがあるかもしれません。

投資の基本は長期&分散 株価は乱高下することを前提に

堤キャスター:
2024年から新NISAも始まり、投資を始めた方も多いかと思います。どういう心構えを持つようにしたらいいのでしょうか。

エコノミスト・崔真淑さん:
金融市場は常に山も谷もあります。新NISAの魅力である節税は、利益が出て、初めて節税になるということを忘れないでほしいと思います。

投資の基本は長期と分散。この状況に一喜一憂するのではなく、株価は乱高下することを前提にとらえてほしいと思います。何よりも欲をかかずに、株だけでなく、債券、コモディティなど、分散投資を心掛けてほしいと思います。

堤キャスター:
この株高を持続性のあるものにするためにも、日本経済全体の底上げが求められるように思います。
(「Live News α」2月26日放送分より)

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