700年続くといわれる伝統の多度大社の「上げ馬神事」で、2024年は馬が駆け上がる壁がなくなることとなった。
■約700年続く伝統で“動物虐待”の批判相次ぐ
上げ馬神事は、三重県桑名市の多度大社で毎年5月に開かれ、高さ2mの土の壁を馬が駆け上がり、乗り越えた回数で1年の吉凶を占う、約700年続くといわれる伝統の祭りだ。
その多度大社で22日、会見が開かれた。
御厨総代会の伊藤善千代会長:
歴史ある上げ馬神事を、今後も人馬一体となった祭りとして継承していきたいという結論となりました

2023年の神事では、ケガをした馬1頭が殺処分となり、動物虐待にあたるのではと批判が相次いだことで、県が2023年8月、多度大社に対して神事の改善を求める勧告を行った。
主催者側はこれまで3回にわたり、獣医師や馬術に関わる専門家などの有識者を交え検討会を実施した。馬にも人にも危険な2mの壁を撤去するのかということが、主な論点になっていた。

■高さ2mの土壁をなくすことで決定
22日の主催者側の会見では…。
三重県馬術連盟の河北浩峰理事長:
地元関係者からは、提言に沿って改善していく旨の回答をいただいております。壁はなくしていただき、緩やかな上り坂のみとする。路面を整備し、表面に砂を敷いていただく
土壁を完全になくし、緩やかな上り坂にするなどの改善策を示したうえで、2024年もこれまでと同じ5月4日からの2日間での神事開催を発表した。

■「告訴がされている以上、仕方ない」
これまで参加していた地元の6地区のうち3地区は、“より深く議論を重ねること”などを理由に、神事への参加を辞退したということだ。
神事への参加を取りやめた地区の一つの「力尾地区」から毎年参加していた内山さんは「仕方がない」と話した。
力尾地区の内山浩司さん:
愛護団体からああいう告訴がされている以上、仕方ないところに来てるし、地元的にも若い子たちがいなくなってきている。いいタイミングというか、仕方ないのかなというところもあります
(東海テレビ)