今やあらゆるジャンルで様々な「推しグッズ」が登場している。そんな中でJR東日本が、これまでとは一味違うファン向けのグッズを変わったスタイルで販売した。
この記事の画像(8枚)それが2月10日から限定販売された「たまてつ」という新商品だ。「たまてつ」とは、首都圏の列車運行を支えてきた「鉄道部品」や「鉄道グッズ」が入ったカプセルトイ。
現在は販売終了となったがJR秋葉原駅にある「GENERAL STORE RAILYARD 秋葉原」と大宮駅にある「GENERAL STORE RAILYARD 大宮」の2店舗に自販機を設置し、500円で19種のうちいずれか1つを手に入れることができた。
例えば「鉄道部品」としては次のような物がカプセルに入っていた(整備担当の社員に聞いた豆知識や部品の役割をまとめた説明書も同梱)。
ドアモータのボルト
[使用されている主な車両] E233系京浜東北線・中央線・南武線
[役割] ドアを開閉させるためのモータを支えていたボルト
一方「鉄道グッズ」としては、次のようなものがあった。
【E231系 中央・総武線各駅停車 側面表示】
アクリルキーホルダー
【弱冷房車ステッカー】
マグネット
秋葉原と大宮の各店舗でそれぞれ用意した1500個が完売。リリースには「普段あまり目にすることのない車両整備の業務や、社員の『鉄道魂』をお届けします」とあり、多くの購入者にこの思いが伝わったのではないだろうか。
しかし、鉄道部品を見てもその価値が分からない人もいるだろう。今回販売された部品などはどれだけ貴重なものだったのだろうか?担当者に聞いてみた。
初めて販売するものなので希少性は高い
――「鉄道部品」はどうやって選んだ?
東京総合車両センターで車両の整備に携わっている社員とともに、カプセルに入るサイズの鉄道部品の中から、整備を担当する社員の「鉄道魂」も一緒にカプセルに詰めてお伝えすることも視野にいれて部品の選定を行いました。
――「鉄道部品」で大きなものはどのぐらい? 逆に小さいのものは?
・大きなもの E217系 横須賀・総武線快速 帯シール(サイズ約50mm×約150mm)
・小さなもの 空調装置カバーのセットボルト(サイズ約13mm×約21mm)
――「鉄道部品」の中には希少なレアグッズもあったの?
今回ラインナップした鉄道部品は、行先方向幕や座席のような一般的に販売している鉄道古物ではなく、普段お客さまの目に直接触れることのない、首都圏の電車の運行を直接支える鉄道部品を選定し、整備を担当する社員に取材を行った「鉄道部品証明書」を同梱した商品となります。
このような鉄道部品は、JR東日本首都圏本部としては、初めて販売するものですので、希少性は高い商品となります。
たった一本のボルトにも、それぞれ役割があり、電車の運行には欠かせない存在であるということを知っていただき、「鉄道魂」を感じて頂ければと思います。
また、E217系 横須賀・総武線快速 帯シールは、東京総合車両センターで廃車になった車両から、1枚1枚丁寧に切り取ったものになります。乗車の思い出と共にお手元に残していただければと思います。
――これらの「鉄道部品」は、今まで処分していたものなの?
そのとおりです。
「マニアックで良かった」「コレクションが楽しかった」
――秋葉原店と大宮店のラインナップはどう違った?
鉄道グッズに関して、秋葉原店は主に中央・総武線各駅停車、横須賀・総武線快速、大宮店は主に京浜東北・根岸線に関連するものです。
また、両店舗で商品を購入し、アンケートにお答えいただいたお客さまにノベルティをお渡しししました。カプセルトイを購入するだけでなく、コレクションしながら電車に乗って楽しんでいただければと思います。
――発売初日10日や翌日はどのぐらいの混雑だったの?
当日朝8時の整理券配布時には最大で40名程のお客さまがご来店されました。大宮店では両日共に即日完売。秋葉原店では2月10日分は即日完売、2月11日分も12日の営業開始後すぐ完売となり、大変ご好評頂きました。
――「たまてつ」販売の反響は?
お客さまそれぞれ欲しい商品が異なっていたようですが、「マニアックで良かった」「コレクションが楽しかった」「廃棄されるものをカプセルトイで売ったのは面白かった」「2店舗訪れるのが面白い」などのお声をいただきました。
各店舗1500個がほぼ2日で完売となったことから、その人気ぶりがうかがえる。今回は購入できなかった人もいると思うので、次回の販売を期待したい。