人口減少対策の一環で新潟県が進める企業誘致。2023年度の誘致数は過去最多となっている。こうした中、湯沢町に進出する企業が利用するのは空き旅館を改装したオフィス。新たな可能性が注目されている。
“企業誘致”に力入れる新潟県
2月13日、湯沢町役場を訪れたのは、東京に本社を置く4社のIT企業。県の誘致で町に進出したことを報告した。
この記事の画像(13枚)県は若者に人気のあるIT関連企業の誘致を進めていて、2023年度、誘致した数は1月末時点で31社と過去最高に。
力を入れる背景には、県内の深刻な人口減少問題があり、観光業の盛んな湯沢町でも宿泊施設などの後継者不足や空き家化が課題となっていた。
“空き旅館”がおしゃれなオフィスに!
こうした中、今回の企業が入るのが、空き家だった旅館をオフィスに改装し、2023年オープンした「ESURaN・YUZAWA」。
温泉の成分表示やフロントなど少しレトロな雰囲気も残っている一方で、2階に上がると、おしゃれなオフィス空間が広がっている。
この施設を運営する湯沢町のGXテクノロジーは2022年、町内に企業のサーバーなどを管理するデータセンターを開設。
機材の冷却には雪など町の自然を活用していて、センターの利用促進に向けオフィス施設を開こうとしたところ、隣接する空き旅館に目が止まった。
GXテクノロジーの田邉公一さんは「本当“昭和レトロな”と言われてもその通りだけど、(宿泊施設の)管理者がいないというところが一番の問題でもあるので、そこを上手く活用していければなと思っている」と話した。
企業は3月以降、順次入居する予定だ。
観光メインの湯沢町に新たな可能性
SNS運用などを行うFrenzyLazyの片桐恵代表は「都内からのアクセスがめちゃめちゃいいというところと、フジロックとかスキーとかで湯沢に遊びに来ている子が増えているので、新しくプロジェクトとか色々やるなら絶対にここだなと思っている」と話す。
将来的に本社を湯沢町へ移す計画のアプリ開発などを行うILEOの藤井一起代表は「地方と都内とで分散してやっていくというのは、労働環境的にも社員もわくわくするのかなと思う」と展望を語る。
GXテクノロジーの田邉さんは「(湯沢町の産業は)観光メインの形とはなっているけど、IT企業の情報技術だとかその辺も徐々に増やしていければと思っている」と話す。
見出される町の新たな可能性。
湯沢町を表敬訪問した企業からは「バブルですごくマンションがいっぱい建っていて、ここの活用ができるというのはすごく魅力的だなと思う」「湯沢を拠点にして、シリコンバレーを超えるものをつくりたい」との声が聞かれた。
県は2024年度も企業誘致を進める方針だ。
(NST新潟総合テレビ)