今や国民病とも呼ばれる「花粉症」。2024年の量は平年並みとなる見込みだが、暖冬の影響で飛散が「2週間ほど早まる」可能性がある。効果的な治療薬を専門医に聞くと、キーワードは「第二世代」だという。

暖冬が影響…飛散時期は早まる?

前年のスギ花粉は「10年に一度の大量飛散」と言われ、鼻水や涙などのつらい症状に悩まされた人も多かった。

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今年の予想について、福井大学附属病院・耳鼻咽喉科の坂下雅文医師に聞いた。

坂下雅文医師:
今年の飛散はここ10年の平均と比べて、ほぼ例年並み。大量飛散だった去年と比べると6割程度と言われている

環境省によると、2024年は全国的に夏場のスギ花粉の生育が2023年よりも劣ったため、花粉の飛散量は例年並みと予測している。

ただ、暖冬の影響で花粉の飛散する時期は早まる可能性があると、村田光広気象予報士は指摘する。

例年スギ花粉は2月中旬から飛び始め、3月に飛散のピークを迎える。2024年は1月と2月の気温が高めだったため、「2週間程度早くなる」という。

なぜ飛散時期が早まるのか。それは「積算温度」が関係している。

スギ花粉は、1月1日から毎日の最高気温を足した数字が400度前後に達すると飛散が始まるという研究結果がある。

村田光広気象予報士:
それに基づくと、今年400度に達するのは2月15日。つまり例年より2週間ほど早く飛散することになります。

市販薬を選ぶキーワードは「第二世代」

診察に当たる坂下医師は、さらにこうしたデータよりも早く花粉の到来を感じる患者が出始めていると話す。

「公式に飛散は開始していないが、暖かい日が続き、少しずつ鼻の症状を訴える患者さんは増えている印象」だという。

花粉症の効果的な予防法としては、マスクをして吸い込む量を減らす。目に花粉が付くと症状が出るので、眼鏡や花粉用のゴーグルなどを使うといい。

新たに花粉症を発症する人は5歳から20歳に多く、発症していない段階から予防をすることが大切だと強調する。

1日にくしゃみが6回以上出たり、鼻が詰まって口呼吸するようになったりしたら受診の目安となる。そしてくしゃみ、鼻水などの症状が表れた場合、どのような市販薬を選べばよいのか。

坂下雅文医師:
飲み薬では、第二世代の抗ヒスタミン薬。眠気が少なく効果も高い。第二世代がキーワード。

花粉の飛散情報は福井県や福井大学病院のウェブサイトに掲載される。

(福井テレビ)

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