縄文時代の終わりにはすでに食べられてきたという説もある、栄養素が豊富で食卓には欠かせない「納豆」。総務省が発表する家計調査で、納豆の購入金額が2022年は断トツの1位だった福島県福島市。しかし2023年は9位にランクダウン。納豆大好き福島県民に一体何が!?
4年連続1位が9位に陥落
約30種類の納豆を販売する福島県福島市のスーパー。なぜ、購入金額が減ってしまったのか調べるため、まずはお客さんに聞き込み。「ほぼ毎日食べていますね」「私はあんまり好きじゃないんですけど、お父さんは毎日食べていますよ」「9位はちょっと残念…私も食べようかな」…と毎日食べる人が多く、納豆が大好きな様子。

値上がりが背景に!?
では一体なぜ順位が下がったのか?福島市のスーパー「パワーデポ食品館」の津田弘次副店長は「値上がりの影響はかなりあると思う」と話す。「値上がりしている分、売り上げはそんなに変わってはいないが、個数が減ってしまう。その分、消費量も減ってしまうのでは」と分析する。
原材料費の高騰などで、このスーパーでは2023年の同じ時期と比べて1つの商品あたり20円ほど値上がりしていた。消費者側も「値上がりは感じます」「ずっと高くなっています」と価格高騰を実感していた。

家飲み減少で食料品支出減少!?
だが、それだけが理由ではないかもしれない…経済の専門家・SOMPOインスティチュート・プラスエコノミストの小池理人さんは「福島市は、かなり外での飲酒代が伸びている。その一方で、家飲みが減少していくことで、納豆含めて食料品の支出が減少したのが背景にある」と話す。家計調査によると、福島市の「外での飲酒代」は2022年の約1.8倍となり全国の県庁所在地のなかでも顕著に増加していた。

この傾向は続いてしまうのか?小池理人さんによると「お金の使い方が普段に戻ってくるのであれば、納豆に向かう金額も同じような形に戻ってきて、ランキングもコロナ前に戻ってくる可能性が高いのでは」とのこと。

福島市の納豆熱はアツイ
そもそも福島市は、かつて「納豆フェス」を開催。「納豆のまち」を全面に売り出す水戸市ほどとはいかないまでも、地道にPRしてきた。2023年10月からは初めて「納豆料理コンテスト」を開催。福島市内33の飲食店が56品の納豆料理を出品した。

福島市松川町の「コーヒー&グリルエスポワール」では、納豆ご飯を進化させた「納豆ライスピザ」を販売。納豆1パックと茶碗1杯分のご飯を使い、ピザ生地に納豆ご飯そのものを乗せたというユニークなメニューだ。

王座奪還へ 市長の秘策!?
福島市の木幡市長には、早くも構想があるようで「7月10日が納豆の日。納豆ウィークみたいな形にして、その日はみんなで納豆を食べようみたいな盛り上げ方をしていきたい。とにかくNeverNeverGiveup(ネバネバギブアップ)」と、力強い言葉をいただいた。

取材から伝わる「納豆愛」…首位返り咲きは大いに期待できそうだ。
(福島テレビ)