2023年は住宅地・商業地とも札幌近郊の上昇率が高い結果だったが、2024年は意外な場所の上昇率が全国ナンバーワンとなった。
「地価」上昇率 意外な場所が全国1位
新幹線の札幌延伸のほか再開発が次々と進む北海道。

注目されていた2024年1月時点での北海道内の土地の値段の平均上昇率は4.6%と、8年連続で上昇した。
中でも住宅地の上昇率がナンバーワンだったのは、少し以外な場所だった。
スキー場にほど近い、富良野市北の峰町の住宅地。

地価は2023年に比べて約28%も上昇し、上昇率は全国1位になった。
富良野の“雪質”が好評
実際に現場を訪れてみると。
「父親と母親が『北の峰』に土地を持っていてニセコの人に高値で売った」(富良野市民)
上昇の背景となっているのは、コロナ禍を経ての観光客の急回復だ。
2023年12月にオープンしたホテルは連日予約でいっぱいに。
「85%が海外からのお客さんで、今シーズンはオーストラリアからのお客さんが多くて25%近く」(ノゾ ホテル 横井昌宏 総支配人)
海外観光客に好評なのは、富良野の雪質だ。

「3月としては素晴らしい雪質。いろいろなアメリカのスキーリゾートに行ったが比較しても富良野が一番良い」(アメリカ人観光客)
「(札幌より)富良野のほうが気温が低く、雪質も良い」(タイ人観光客)
外国人観光客をターゲットにした飲食店も
「おいしい、ベリーグッド」(観光客)
大きなローストビーフが乗ったラーメンの価格はなんと2500円。

富良野市内で3店舗を経営する人気のラーメン店「とみ川」が数量限定で販売している。
「値段を上げただけではなくクオリティの高いもの。北海道の和牛が必要だと生まれたラーメン」(とみ川 富川哲人さん)
富良野は冬に加えて夏も観光需要が大きく、外国人による不動産投資が増えている。

この動きも地価を押し上げる要因になっている。
「投資する方は富良野が好きで、自身も滞在するために投資をする」(富良野市で不動産業を営む 池野正樹さん)
地価上昇の懸念も
一方、地価の上昇を懸念する声も。
「土地の売買が盛んになることによって、居住していた方が転居せざるを得ないことも出てきたので守りたい」(富良野市 稲葉武則 副市長)

一方、商業地で北海道内トップ3を独占したのは千歳市。
「ラピダス」効果で千歳市も上昇
これは建設中の次世代半導体工場・ラピダスの効果だ。

ラピダスは千歳市中心部に事務所を開設。
雇用と人口が増えることへの期待から、ホテルや賃貸マンションの建設が進んでいる。
「地元に事務所があるかないかでは大きな違いがある。いろいろな部分で活性化につながっていくのではないか」(千歳市 横田隆一 市長)
千歳は今後、土地だけでなく、働き手の取り合いになると予想する声も。
「ラピダス効果で時給が2000円になるかもしれない」(北海道不動産鑑定士協会 横山幹人 理事)
今回発表された地価をしらべてみると、北海道の今とこれからの暮らしが見えてきた。