7日の衆院予算委員会で岸田首相は、国会議員の世襲や政治資金の引き継ぎに関して、「政治資金は相続とは異なり、親族に対して当然に引き継がれる類のものではない」と認識を示した。
現行の制度では、世襲候補は、親などの政治団体の名義を変更すれば、非課税で政治団体と政治資金を引き継ぐことができ、野党は世襲候補が増える原因になっていると批判している。
立憲民主党の湯原議員は、「今の自民党は、親から家業のように国会議員の議席をもらっているのに近い世襲議員が非常に増えている」と述べ、自民党衆院議員約260人のうち約90人、閣僚では約半分が3親等以内の世襲議員だと指摘した。
また、ここ25年間あまりでは菅義偉元首相を除く、橋本・小渕・森・小泉・安倍・福田・麻生・岸田の各政権が世襲の首相だったと指摘し、立憲民主党が提出している政治団体や政治資金を親族に引き継ぐことを禁止する「政治資金世襲制限法案」を国会で審議するよう求めた。
これに対し岸田首相は、「政治資金世襲禁止法案を提出されたということだが、政治資金については当然のことながら相続とは異なり、親族に対して当然に引き継がれるというような類なものではない。当然のことだ」と述べた。
その上で「解散するか存続させるか、誰を代表にするのかは個々の政治団体において判断するべきことだ。その上で政治資金の問題については、各政治団体の政治活動の自由にも配慮することを念頭に置きながら議論すべきだ」と指摘し、「政治資金世襲制限法案」は議員立法なので、扱いは国会で議論すべきだとの認識を示した。