24日、ガソリン価格の引き下げにつながるトリガー条項の発動について、自民党と野党・国民民主党の政調会長会談が初めて行われた。岸田首相は、これまでトリガー条項の発動に慎重姿勢だったが「有意義だ」と一転し、トリガー条項の発動にかじを切った。

トリガー条項発動を検討

岸田首相が、ガソリン税を一部引き下げる「トリガー条項」の発動を検討するよう指示する中、初めて自民と野党国民民主の協議が行われた。

この記事の画像(11枚)

ガソリン価格の引き下げにつながるトリガー条項の発動について、24日の朝、自民党と野党・国民民主党の政調会長会談が初めて行われた。

ガソリン税には、本来の課税より上乗せ分が1L当たり約25円ある。

トリガー条項は、ガソリン価格が3カ月連続で160円を超えた場合、上乗せをストップするものだが、東日本大震災の復興財源を確保するためとして、上乗せが続いている。

岸田首相は、これまで補助金で価格引き下げに対応し、トリガー条項の発動に慎重な姿勢だったが一転、「有意義だ」として、トリガー条項の発動を訴えてきた国民民主党との協議が始まった。

このニュースについて、国会記者会館にいる政治部の木村祐太与党キャップがお伝えする。

慎重姿勢だった岸田首相が一転してトリガー条項の発動にかじを切ったのは、なぜだろうか。

大きな理由の一つは、24日採決される補正予算案に対する国民民主党の賛成を得たかったからだ。

実は、この話は急に国会で岸田首相がポロッと応じてしまったというわけではなく、水面下で自民党の幹部が国民民主党の幹部と接触し、政策協議という形で話し合ってきたテーマだ。

その時、補正予算案に賛成する条件として、国民民主党が求めたのが、玉木雄一郎代表がこれまでずっと言い続けてきたトリガー条項の発動で、自民・国民民主党の両方の思惑が一致した形だった。

ある自民党議員に話を聞くと、「内閣支持率が下がる中、風当りの強い政府の物価高対策を含む補正予算案に野党も賛成してくれるのはとても大きいことだ」と喜んでいた。

加えて、今回は日本維新の会も賛成に回っているため、自民党内からは「野党が完全に分断された」との評価の声も上がっている。

1兆5000億円の財源が必要

しかし今後、トリガー条項が発動され、ガソリン1L当たり約25円安くなると決まったわけではない。

東日本大震災の復興財源の穴埋めをどうするのかなど、様々な課題があるためだ。

24日鈴木財務相は、トリガー条項を発動すれば、1兆5000億円の「巨額な財源が必要となる」と慎重な姿勢を示している。

これについては、与党の議員から「ガソリンの補助金で巨額のお金を使っているので問題ない」と反論する声も出ているが、全ては今後の協議次第となりそうだ。
(「イット!」 11月24日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(11枚)