東京で感染者237人も…7月22日からGo Toトラベルがスタート

7月21日新たに237人の新型コロナウイルス感染を確認した東京。

22日から始まるGoToトラベルは東京除外に伴うキャンセル料を国が補償することに決まった。ただ、これで一件落着とはいかないようだ。

千葉県九十九里に2020年6月にオープンしたばかりのホテル『くじゅうくり』では、Go Toトラベルキャンペーンで東京が除外されることが決まってから、1日に5件ほどのキャンセルが入ってくると言う。

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ホテルくじゅうくり・杉本春枝総支配人:
(キャンセル料が)1週間前から発生しますが、世の中が大変なので、私のホテルでは頂かないようにしています

キャンセル料をめぐる政府の方針転換に大混乱

しかし、そのキャンセル料をめぐり21日、さらなる混乱の種が生まれた。

きょうの東京都の新型コロナウイルス新規感染者は237人。3日ぶりに200人を超えた。

感染者が拡大する東京を外した形で明日22日から始まるGoToトラベルキャンペーン。政府は21日、東京除外に伴うキャンセル料について補償することを発表した。

赤羽国交相:
7月10日以降、17日までの間に予約された旅行者はキャンセル料を支払わないでよいこととし、その旨を旅行業者等に徹底することと致します

事業者には利用客からキャンセル料を受け取らないよう要請。 すでに受け取っていた場合は返金するよう求めるという。

つい4日前の17日には「国としての補償は考えていません」(赤羽国交相)と、キャンセル料の補償はしないとしていたが、批判が相次ぎ、急きょ方針転換を図ったのだ。

ぶれる政府の方針に街からは…

70代男性:
方針が定まっていないみたいですね。  ちょっといらだたしいですよね

23日からの4連休に予定していたゴルフ旅行をすでにキャンセルした女性は…

旅行をキャンセルした女性:
それはありがたいことだと思います。 国がキャンセル料も払ってくれないとちょっと納得いかないですよね

21日の発表直後、東京・渋谷区の旅行代理店『アドベンチャー』では早速キャンセルの電話が…

女性従業員:
キャンセルを検討いただいているということでよろしいでしょうか?

取材ディレクター:
(客から)詳細を聞かれた?

女性従業員:
キャンセル料金と今後の方針が変わるかどうかいろいろ聞かれました

この代理店が提携するホテルは今回予約客からキャンセル料を取らずに、ホテル側がその損害を被っていた。 そのため、国による補償を歓迎する一方で…

アドベンチャー・中村俊一代表:
二転三転するのは仕方ない部分も多いと思うのですけれども、事務局側に連絡してもつながらない状態で、実際に始まる前に確認しなければいけないことの確認がまだ全然できていない状態…

国の事業者へのキャンセル料の実損補填…実損とは?

そしてもうひとつ21日の赤羽大臣の会見の中で気になったのがこの言葉。

赤羽国交相:
キャンセル料の中の実損部分について、事業者に対して実損相当分を補填することといたします

補償するのはキャンセル料全額ではなく、実損分のみだというのだ。実損とは一体? 広辞苑には字の通り「 実際の損失・損害」とあるが、具体的には何を指すのだろか?

赤羽国交相:
例えば予約が入ったことで、食材の手当てとかキャンセルという手続きの事務的な経費とかキャンセル料を丸々ということではなくて、キャンセル料の中で旅行業者等が生じてしまう実損部分については国として補填する。

この曖昧な基準に混乱しているのが宿泊施設だ。 千葉県山武市の旅館「料理の宿・ニュー太洋」では、キャンセルした利用客に対し請求書を準備。発送するところだったという。

料理の宿・ニュー太洋 高橋洋一代表:
実損分に関しては計算をどのように示していいのか。 観光庁からの指示が出ておりませんので大変困っております。

別のホテルからも…

ホテルくじゅうくり・杉本春枝総支配人:
ホテルってお部屋だけじゃなくて、すべてが予約面に関わってくると思うので、大きなお風呂にしても人件費はもちろん、料理の原価にしても、それで宿泊料金を出しているので、実際のところどこまでがどうなのか国の方でどこを基準にしておっしゃっているのかわかりませんけど、正直なところ100%をいただきたいと思います

混乱の中で始まるGoToトラベル。本当に日本の観光業界の救いとなるのだろうか?

(Live News it!7月21日放送分より)