世界初となるピンポイントの月面着陸に成功した無人探査機「SLIM」について、JAXAは、太陽電池パネルに太陽光が当たり、運用が再開したことを明らかにした。
SLIMと地上との通信確認
無人探査機「SLIM」は20日未明、世界初となるピンポイントの月面着陸に成功した。その後、太陽電池で発電できなかったことから、バッテリーを切り離し、電源を切った状態にしていたが、JAXAは29日、SLIMと地上との通信が確認され、運用が再開したことを明らかにした。太陽電池パネルに太陽光が当たるようになったとみられている。

今後、月面の温度は高温になることから、SLIMの状態を見ながら運用をしていくという。
“大きさ比較”のため犬種名を使用
太陽光のエネルギーを補給したSLIMは早速観測を再開し、JAXAはSLIMに搭載されたカメラが撮影した画像を発表した。SLIMの近くにある月の岩は「トイプードル」と名付けられている。

なぜ、犬種の名前がついているのだろうか。

JAXAでは、SLIMの観測対象になる岩石に、相対的な大きさがイメージできるよう「しばいぬ」「ブルドッグ」など犬種の名前をつけている。岩がそれぞれの犬の大きさというわけではなく、岩の大きさの比較としてイメージしやすい犬種を名前にしているという。
では、「トイプードル」と名づけられた岩の画像から、今後何がわかるのだろうか。

今回SLIMは、2007年に打ち上げられた日本の月周回衛星「かぐや」によって見つけられた、月を調べる上で興味深い地域に、ピンポイントで着陸することに成功した。そのSLIMが撮影した画像が、観測対象になっている岩「トイプードル」だという。
重要な場所にある岩なので、いまだに解明できていない月の起源などが分かるかもしれないと期待がかかっている。
(「イット!」 1月29日放送より)
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