福井テレビの元日の恒例映像になっているのが、「山頂からの初日の出」だ。2024年も1月1日に登山歴4年の記者が、福井唯一の日本百名山、標高約1500メートルの「荒島岳」にアタックした。
吹雪の中、雪をかき分けながら6時間余り進むと、到達した人だけが見える極上の景色をカメラに収めた。
3年連続 初日の出登山に挑戦
元日の福井の天気は、朝方までは冬型の荒れ模様が続き、徐々に回復するという予報だった。小雨の降る中、初日の出が見えることを祈り、登山を始めた。山田記者が荒島岳の初日の出登山に挑戦するのは3年連続となる。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/6/a/700mw/img_6a342615697e2fa18cb315da5f4d7b08212557.jpg)
福井テレビ・山田千代記者:
午前1時を過ぎました。あけましておめでとうございます。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/5/8/700mw/img_587552e94af584f732e8261906f14eb7315982.jpg)
登山ガイド:
下界は晴れてきますが、山の上はふぶいている可能性もあります。
![雪で半分埋まった標識](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/b/4/700mw/img_b4ea705fe2c7ab759582850efa343057219480.jpg)
山に積もった雪は雨で緩み、思うように歩みを進めることができない。高度が高くなるにつれ、雨から雪に変わった。風が強く、雪が真横から体を打ち付ける。身長ほどある標識の半分が雪で埋まっていた。
![ヘッドライトを頼りに進み続ける](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/e/8/700mw/img_e888dadd8989cda69cf5ff1fcd488459243689.jpg)
歩き始めて3時間が経過し、御来光は3時間後に迫っていた。荒島岳の難所、険しい登りの「もちが壁」に到着した。足元を照らすのはヘッドライトのみ。一歩一歩足場を確保し、慎重に歩みを進めた。
天候荒れ模様も…初日の出の瞬間
「もちが壁」を登りきると、突風が吹き付けた。先ほどまで漆黒の空だったが、東側が淡いオレンジ色に変化してきた。初めて太陽の存在を感じることができた。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/9/700mw/img_f924e84c04f1c98d9320eb22c6de8d0f191648.jpg)
登山開始から5時間半後、ついに山頂に到着した。気温は氷点下5度、風速17m/sの強い風が吹き荒れていた。
![分厚い雲が空を覆い太陽の光を遮る](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/0/b/700mw/img_0b4cbfe65081e87625bc3e9a111a9f7b216853.jpg)
御来光まで30分と迫る中、分厚い雲が東の空を覆い始め、太陽から漏れる光を遮る。オレンジ色は視界からなくなり、360度を白い世界が覆った。いてつくような寒さが体温を奪う。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/5/f/700mw/img_5fdab96cbee586219f1e386000645ab6329404.jpg)
午前7時4分、御来光の時間となったが、まだその姿が見えない。待ち続けること40分。ついに待ち望んだ丸い太陽を視界にとらえることができた。厚い雲を押しのけるように力強い黄金の光が空を照らした。
初日の出を見た山田記者は、「厳かで神々しい姿に希望と勇気をもらった」と話した。
(福井テレビ)