福井テレビの元日の恒例映像になっているのが、「山頂からの初日の出」だ。2024年も1月1日に登山歴4年の記者が、福井唯一の日本百名山、標高約1500メートルの「荒島岳」にアタックした。
吹雪の中、雪をかき分けながら6時間余り進むと、到達した人だけが見える極上の景色をカメラに収めた。

3年連続 初日の出登山に挑戦

元日の福井の天気は、朝方までは冬型の荒れ模様が続き、徐々に回復するという予報だった。小雨の降る中、初日の出が見えることを祈り、登山を始めた。山田記者が荒島岳の初日の出登山に挑戦するのは3年連続となる。

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福井テレビ・山田千代記者:
午前1時を過ぎました。あけましておめでとうございます。

登山ガイド:
下界は晴れてきますが、山の上はふぶいている可能性もあります。

雪で半分埋まった標識
雪で半分埋まった標識

山に積もった雪は雨で緩み、思うように歩みを進めることができない。高度が高くなるにつれ、雨から雪に変わった。風が強く、雪が真横から体を打ち付ける。身長ほどある標識の半分が雪で埋まっていた。

ヘッドライトを頼りに進み続ける
ヘッドライトを頼りに進み続ける

歩き始めて3時間が経過し、御来光は3時間後に迫っていた。荒島岳の難所、険しい登りの「もちが壁」に到着した。足元を照らすのはヘッドライトのみ。一歩一歩足場を確保し、慎重に歩みを進めた。

天候荒れ模様も…初日の出の瞬間

「もちが壁」を登りきると、突風が吹き付けた。先ほどまで漆黒の空だったが、東側が淡いオレンジ色に変化してきた。初めて太陽の存在を感じることができた。

登山開始から5時間半後、ついに山頂に到着した。気温は氷点下5度、風速17m/sの強い風が吹き荒れていた。

分厚い雲が空を覆い太陽の光を遮る
分厚い雲が空を覆い太陽の光を遮る

御来光まで30分と迫る中、分厚い雲が東の空を覆い始め、太陽から漏れる光を遮る。オレンジ色は視界からなくなり、360度を白い世界が覆った。いてつくような寒さが体温を奪う。

午前7時4分、御来光の時間となったが、まだその姿が見えない。待ち続けること40分。ついに待ち望んだ丸い太陽を視界にとらえることができた。厚い雲を押しのけるように力強い黄金の光が空を照らした。
初日の出を見た山田記者は、「厳かで神々しい姿に希望と勇気をもらった」と話した。

(福井テレビ)

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