ふわふわの毛並みの手入れが行き届いた犬と、顔を寄せ合い笑顔を見せる女。フィリピン人のモラレス・ヘイゼル・アン容疑者だ。

夫婦の遺体を遺棄した疑いで逮捕されたモラレス容疑者は、どのような人物なのか。容疑者を知る人たちを取材した。

フィリピン政府は“最善の弁護”支援を発表

東京・足立区の住宅の床下に、住民の高橋徳弘さん(55)と妻・希美江さん(52)の遺体を遺棄した疑いが持たれている、フィリピン人のモラレス・ヘイゼル・アン容疑者(30)。

夫妻の遺体には複数の刺し傷があった
夫妻の遺体には複数の刺し傷があった
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床下に遺棄された夫妻の遺体には複数の刺し傷があるものの、逮捕されたのは女1人…。いまだ謎の多いこの事件は、フィリピンの大手メディアでも「政府が東京で逮捕されたフィリピン人を支援へ」と大きく報じられ、フィリピン政府は、モラレス容疑者が最善の弁護を受けられるよう支援を発表している。

フィリピンの大手メディアが事件を報道。フィリピン政府は容疑者が最善の弁護を受けられるよう支援を発表
フィリピンの大手メディアが事件を報道。フィリピン政府は容疑者が最善の弁護を受けられるよう支援を発表

事件当時、モラレス容疑者は2023年6月に建てられた新築マンションに住んでいて、住民同士の付き合いはほとんどないという。

ブランド品とみられるバッグが映る写真も
ブランド品とみられるバッグが映る写真も

SNSには、ブランド品とみられるバッグが映る写真もあり、金銭的には余裕があるように見える。しかし、モラレス容疑者がかつて働いていたフィリピンクラブの元同僚たちからは、こんな証言も…。

モラレス容疑者がかつて働いていたフィリピンクラブの元同僚「お客さんとかお金を借りて」
モラレス容疑者がかつて働いていたフィリピンクラブの元同僚「お客さんとかお金を借りて」

モラレス容疑者の元同僚:
お金のトラブルがあって。1000万ちょっとくらい?そういう話聞いた。お客さんとかお金を借りて。

モラレス容疑者を知る人:
だからお金も元々、やっぱりだらしないんだと思う。

モラレス容疑者を知る人:
性格は優しいっていうか、そんなキツい子じゃないから。だから人を殺したなんてのは、普通は信じられないよね。

モラレス容疑者を知る人:
お金はあっちこっちから借りてるよ。金銭トラブルは多々あったみたい。

警視庁に金をめぐるトラブルについて相談していたという
警視庁に金をめぐるトラブルについて相談していたという

様々な人から金を借り、裁判沙汰にまで発展。モラレス容疑者とかつて交際をしていた高橋さん夫妻の長男も、警視庁に「数十万円貸していた」とモラレス容疑者との金をめぐるトラブルについて相談していたという。

金銭トラブルの解決に「手段を選ばなくなる」可能性

複数の借金を抱えながら、SNSでは金銭的に余裕のある暮らしぶりを投稿していたモラレス容疑者。専門家は、こうした行動が事件の動機につながっていた可能性があると指摘する。

モラレス容疑者には、金銭や財産に対するコンプレックスがあるのではないかと指摘
モラレス容疑者には、金銭や財産に対するコンプレックスがあるのではないかと指摘

明星大学心理学科 藤井靖教授:
金銭とか財産に対する強いコンプレックスが元々、あるんじゃないかなと思うんですよね。なんとかして(コンプレックスの)解消をできる方法があるんだったら、借金でもするし。目に見える形にできるのであれば、写真も撮るしSNSにもアップする。一度そこで快感を得てしまうと、もうそれ以外の方法ではなかなか気持ちを満たせなくなってる。とにかく手段を選ばず(コンプレックスの解消)状態を作り出そうと、そういう心理になる。

借金やSNS投稿を重ねる中で、金をめぐるトラブルの解決に、手段を選ばなくなっていく可能性があるという。

またモラレス容疑者は事件後、福島県内のホテルに滞在していて、逃走を図っていたとみられているが、「フィリピン時代からの友人と家探しを手伝っていた」と容疑を否認する一方で“友人と一緒にいた”と供述。

モラレス容疑者の自宅マンション。2023年6月に建てられた新築(東京・足立区)
モラレス容疑者の自宅マンション。2023年6月に建てられた新築(東京・足立区)

事件当日の夜には、遺体が遺棄されていた現場近くからモラレス容疑者の自宅に入る不審な人物が防犯カメラに映っていて、警視庁はこの人物が何らかの事情を知っているとみて調べている。
(「イット!」1月22日放送)

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