死装束を思わせる白い衣装。雪のように白い肌。そして腰のあたりまで伸びた長い髪…福島県猪苗代町の中ノ沢温泉に集まったのは全国からやってきた雪女。1月21日に行われた、その名も「雪女まつり」は2019年に始まったばかりのイベントだ。観光や暮らしに雪が欠かせない特別豪雪地帯の猪苗代町。「雪を降らせてほしい!」そんな願いを雪女に託した。

雪女頼みの雪ごい

猪苗代妖怪プロジェクト担当の西村和貴さんは「暖冬だった年がありまして、雪がないとこの地域生活にいろいろ生活に不便ができるので雪ごいを。雪女さんに雪を降らせてもらおうというのが始まりです」と話す。つまり「暖冬による雪不足を雪女になんとかしてもらおう」いわば「雪ごい」を目的に地域の人たちが始めたイベントだという。

過去の開催時の様子・雪女行列 「妖怪屋」YouTubeより
過去の開催時の様子・雪女行列 「妖怪屋」YouTubeより
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全国から雪女が駆けつける

まつりが始まった5年前、参加した雪女は3人だった。しかし、ウワサを聞き付けた雪女が全国から駆け付けるようになり、今回は約50人の雪女から申し込みがあった。

全国から集まった雪女 約50人から申し込み
全国から集まった雪女 約50人から申し込み

雪女が風邪をひかないように…

イベント当日は、暖冬を象徴するかのような雨…まつりの呼び物である「雪女行列」は、雪女のみなさんが風邪をひいたら大変ということで、中止になってしまった。
屋外で行う予定だった、雪ごいの儀式も近くにある旅館のロビーに変更されたが、集まった雪女による精一杯の雪ごいが行われた。

メインイベントの行列は雨天のため中止に
メインイベントの行列は雨天のため中止に

霊力足りず不甲斐ない

大阪から15時間かけてきた雪女は「ちょっと今年は私たちの霊力が足りませんで、ちょっと寒気団を呼ぶのが遅れまして、不甲斐なくて申し訳ない結果になりました」と話す。しかし、雪ごいで雪女たちも一致団結。「きっとこの後、温度が下がって雪になることでしょう。力を入れていきましょう!」雪女たちの願いは、通じるのだろうか?

雪女たちによる雪ごいの儀式
雪女たちによる雪ごいの儀式

関係者は雪ごい効果に期待

いつもの年であれば、まだまだ雪の季節が続く。猪苗代妖怪プロジェクト担当の西村さんは「スキー場にお客さんが来ていただけるようなコンディションになるくらいの雪が欲しい」と雪女による「雪ごい」効果に期待している。

ゲレンデコンディションが良くなるほどの積雪を願う
ゲレンデコンディションが良くなるほどの積雪を願う

ちなみに、中ノ沢温泉の周辺に雪女にまつわる言い伝えがあるわけではないそうだ。

(福島テレビ)

福島テレビ
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